産業廃棄物の処理を委託する場合、廃棄物を車両へ積み込み、処分場まで運搬することになります。
その際に収集運搬の許可や種類に着目して委託をしなければなりません。
本記事では、どのような点に注意して産業廃棄物の収集運搬業者を選定すればよいのか解説していきます。
当社でも、収集運搬から処分まで一括してご依頼いただけます。
お困り事ございましたらお気軽にご相談ください。
目次
産業廃棄物収集運搬業許可とは?
産業廃棄物収集運搬業許可とは、排出事業者から委託を受けて産業廃棄物を運搬するために必要な許可のことを指します。
許可証は誰でも取得できるものではなく、運搬車両や駐車場、経営状況や講習会への参加など必要条件を満たした業者のみ地方自治体から発行され、収集運搬業が行えます。
収集運搬の委託する際にチェックする5つのポイント
産業廃棄物の処理を委託する際にチェックすべきポイントを説明していきます。
最低限下記の5つについてはチェックした上で委託先を選定しましょう。
産業廃棄物収集運搬業許可を取得しているか
まずは、収集運搬業許可を取得しているかどうかを確認してください。
過去に取得していても許可証には有効期限があるため、有効期限が切れていないか確認が必須となります。
また許可書には優良産廃処理業者認定制度により、通常の許可基準よりも厳しい基準に適合した産廃処理業者を確認できる項目があります。
そちらも併せて確認しましょう。
廃棄物の種類に応じた許可書を持っているか
廃棄物は大きく「産業廃棄物」と「特別管理産業廃棄物」の2つに分類されます。
産業廃棄物とは事業活動に伴って発生した廃棄物であり、廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物をさします。
特別管理産業廃棄物は、爆発性や毒性、感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある廃棄物をさします。
実は収集運搬の許可書自体も、「産業廃棄物」と「特別産業廃棄物」で別々の許可書が必要となります。
より危険な特別管理産業廃棄物の許可があれば、全ての産業廃棄物が運搬できるのでは?とよく質問をいただきます。
しかし収集運搬においては、特別産業廃棄物の許可では、産業廃棄物は取り扱えないため、産業廃棄物を運搬する際には別で許可が必要になります。
逆も然りで、産業廃棄物の許可書では特別産業廃棄物を取り扱うことができません。
処理を依頼する廃棄物と、委託する運搬業者の許可書が一致するか見ておきましょう。
「回収する県」と「降ろす県」で許可を持っているか
回収する県のみで許可書を持っていれば良いと勘違いをしている方がいますが、廃棄物を「回収する県」と「降ろす県」の両方の許可が必要になります
。※通過する県の許可は必要ありません。
下記のケースを例に考えてみましょう。
静岡県で回収した廃棄物を、愛知県を通り、三重県で降ろすとします。
その際には「静岡県」と「三重県」の2拠点での許可書が必要となります。
愛知県の許可証は必要ありません。
産業廃棄物収集運搬業許可証に記載があるので、確認をしましょう。
残余容量は十分にあるか
産業廃棄物を委託する業者が最終処分場(埋立地)の場合、あとどれくらい埋め立てられるかを示す残余容量を把握しましょう。
埋め立ての残余容量が十分にない状況であれば、不適切な処理が行われている可能性があります。
残余容量の記録は、環境省の法令によって年一回以上の頻度で把握と記録作成・保存が定められています。
委託する予定の産業廃棄物処理業者に、残余容量の記録の提示をお願いすることで、すぐに現状を把握出来ますので、確認をしっかりしておきましょう。
行政処分の有無の確認
産業廃棄物業者によっては、上記の条件を満たしていても何らかの理由で行政処分を受けている可能性も少なからずあります。
行政処分には以下の種類があります。(許可の申請に対する不許可処分を除く)
- 許可取消処分
- 停止処分
- 改善命令
- 措置命令
- 保管等に係る命令
許可取消処分、停止処分を受けている業者の確認はもちろん除外すべきです。
改善命令、措置命令保管等に係る命令 を受けている場合は、改善状況のなどの確認をしましょう。
行政処分の有無は各県の公式の自治体や省庁のホームページで確認出来ます。
委託を依頼する前に確認しましょう。
もし違反してしまったらどうなるのか?
許可を取得してない業者に委託して運搬した場合、1,000万円以下の罰金もしくは5年以下の懲役若しくはその両方が科せられます。
処理後に、「無許可でやっていると思わなかった。知らなかった。」では済まされないため、値段が安いがために確認せず委託することは、大きなリスクが伴います。
委託する際は、必ず該当する廃棄物・都道府県の許可を取得しているかを確認しましょう。
収集運搬の許可が不要な場合
では産業廃棄物を運搬する際は、いかなる場合でも許可がないと運んではいけないのでしょうか。そんなことはありません。
例えば、自社の工場から出た廃棄物を自社の社員自らが運搬するいわゆる「自社運搬」の場合は許可が不要です。
ただし、自社運搬だからといって「何でもいいからトラックへ積んで行けばよい」ということではありません。
自社運搬であっても基準が設けられており、産廃の飛散等の防止対策や車両表示など決められた基準に沿って運搬しなければなりません。
まとめ
産業廃棄物処理を委託する際は、必ず委託先情報を確認しましょう。
運搬する廃棄物が産業廃棄物か特別産業廃棄物なのかで、収集運搬に必要な許可証は変わります。
また、委託する業者が廃棄物を回収する県と降ろす県の許可を取得しているのかもとても重要です。
もし自社運搬をする場合でも、決められた基準に沿った方法で運搬を行わなければいけません。
丸商では、東海3県や関西エリアをメインに各収集運搬の許可を取得しておりますので安心してご依頼いただけます。
その他エリアのお客様につきましては、上記の注意事項をよく確認し、適正に運搬できる業者を選定いたします。
収集運搬から処分まで一括してご依頼いただけますので、お困り事ございましたら是非ご相談ください。