様々な照明器具の中にある安定器は、蛍光灯器具の心臓部と言ってもよいほど重要なものです。
明かりを灯す際に必要な装置で、寿命があるので交換する必要もあります。
廃棄物となった安定器はどのような処理が必要なのでしょうか?
こちらのコラムでは、安定器の廃棄物処理について解説いたします。
目次
安定器の役割
安定器とは、蛍光ランプなどが点灯するのに必要な始動電力を与え、また安定した点灯状態を維持するためにも放電ランプの点灯に必要なものです。
放電ランプは放電現象を利用した光源ですが、放電現象は不安定でもあり直接電源につなぐと急激に電流が増えてランプが破損してしまいます。
耐用年数は約10年で、劣化してくると点灯不良、異音、異臭、発熱、漏電が発生するので、定期的な交換が必要です。
PCBとは?
廃棄物となった安定器を処理する際に必要なことは、「PCB」が使用されているかいないかです。
PCBとは、ポリ塩化ビフェニルのことで、人工的に作られた油状の化学物質です。
不燃性で熱で分解しにくい、沸点が高い、電気絶縁性が高いなどの特徴があります。
科学的にも安定しているので、これまで様々な製品に使用されていました。
一方で、脂肪に溶けやすいという性質から、慢性的に摂取すると体内に蓄積し人体に影響を及ぼすことが報告されています。
現在では製造・輸入ともに禁止されています。
こちらも参考に御覧ください。
PCB廃棄物の処理期限と罰則について解説|廃PCB(ポリ塩化ビフェニル)|特定有害産業廃棄物|廃棄物処理・環境コンサルティングの株式会社丸商
処理方法は?
安定器を廃棄物処理する際には、まずPCBが使用されているかどうかを判別する必要があります。
平成13年に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」が施行され、平成28年にはさらに法改正されて処理施設も整備されています。
PCBを含む安定器かどうかは製造年月日によって異なります。
PCBの使用対象またはその可能性がある安定器の生産時期は、・HID用/1972年3月以前 ・蛍光灯用/1972年8月以前、とされています。
PCBを含む、含まないに関わらず、事業所から排出される廃棄物は産業廃棄物でマニフェスト管理が必要ですから、産業廃棄物処理業者へ委託する必要があります。
PCBが含まれているかどうかは判別が難しい場合があります。
人体に悪影響を及ぼす危険がある物質なので、適正処理のためにもぜひご相談ください。