金属の腐食や融解を施すエッチング加工に必要なエッチング液は、精度の高い加工ができ、幅広く使われています。
廃液となったエッチング液は、もちろん下水に排出することはできません。廃棄物処理はどのようにすれば良いのでしょうか?
こちらのコラムでは、エッチング廃液の廃棄物処理について解説いたします。
目次
エッチング液とは?
エッチング液は、金属や金属酸化物を腐食させる薬剤で、主にプリント基盤の加工に使用されています。
エッチング加工には「ドライエッチング」と「ウェットエッチング」の2種類があり、ウエットエッチングの際にエッチング液が使用されています。
液自体が比較的安価なことや、一度に複数枚の加工が可能、細かな加工ができる、という特徴からコスト的にも量産性にも優れています。
危険性や注意すべき点は?
エッチング液は、加工する金属によって種類を使い分けます。
塩酸や硝酸、水酸化ナトリウムなどですが、いずれも強い腐食作用がありますから注意が必要です。
直接皮膚に触れると刺激や腐食したり、呼吸器への影響、眼の刺激、中枢神経障害、経口では急性中毒を起こす危険があります。
また、正しく処理をせず川や海に流出してしまうと、水質汚染につながり環境にも悪影響を及ぼします。
加工する際も、廃液となって処理する際も充分な注意が必要ですね。
廃液の処理方法は?
使用済みエッチング液を廃棄物として処理する際は、産業廃棄物として専門の処理業者へ委託します。
業者が引き取る際の保管や搬出においても、腐食性のない容器を使用して決められた規則どおりに行わなければなりません。
エッチング加工は、酸性とアルカリ性の溶液を使用しますので、廃棄物としては「廃酸」「廃アルカリ」になります。
使用済みのエッチング廃液には重金属が含まれており、環境汚染物質です。不当に放流すれば配管腐食などの設備破壊や環境汚染につながります。
また、エッチング廃液のリサイクル技術も進んでおり、廃塩化鉄などの廃酸を再生したり、廃酸に含まれる銅やニッケル、クロムなどの有価金属を回収することが可能になってきています。
正しい廃棄処理はもちろん、積極的にリサイクルに取り組む技術も年々進歩しています。
環境汚染物質も、再利用を行い循環していくことが可能です。
廃棄処理のお困りごとや、リサイクルに関する相談など、最適なご提案をいたしますのでぜひご連絡ください。
※当社は法人様のみのご対応となります。