ホウ酸と聞くと、虫除けや害虫駆除などを思い浮かべる方も多いでしょう。
木工製品の防虫剤や防腐剤など身近にあるものですが、工業用として使用された産業廃棄物はどのように廃棄処理するのでしょうか?
こちらのコラムでは、ホウ酸の産業廃棄物処理について解説いたします。
目次
ホウ酸とは?
ホウ酸は、常温常圧の状態では、無色の結晶または白い粉末状のものです。
ホウ素という元素が水素や酸素と結びつき、化合物の総称としてホウ酸塩と呼ばれています。
鉱物の状態としてホウ砂とも言われますが、一般的に「ホウ酸」と呼ばれています。
防腐性や持続性、安定性があり、化粧品や医薬品、シロアリ対策として木材を保存する際の防腐剤や防虫剤など使用されています。
ホウ酸そのものはシロアリだけでなく、ゴキブリ、キクイムシなどの昆虫に作用します。
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毒性はあるの?
ホウ酸は自然素材なので、よほど大量に経口摂取でもしなければ人間やペットなど哺乳動物への害はないとされています。
では、元素であるホウ素はどうでしょうか。ホウ素化合物は住宅用の断熱材、ガラス強化のプラスチック用ガラス繊維原料、特殊ガラス、陶磁器の釉薬、液晶ディスプレイなどに使用されています。
ホウ素の化合物になると、過剰摂取で呼吸器系、神経系への有害性、肺炎や気道への刺激、皮膚や眼などへの影響が出るものもあります。
「ホウ酸」と「ホウ素」は危険性も違うので、取り扱いに注意が必要ですね。
産業廃棄物の処理方法は?
ホウ素単体は自然界に存在しておらず化合物としてホウ酸になるので、工業用として事業所から排出されるホウ酸はホウ素化合物として適切な処理が必要です。
ホウ素は水溶性なので、ホウ素含有の廃液処理をすることも多いでしょう。
その際は、水質汚濁防止法で定められた基準に従って処理します。
環境省では、海域以外の公共用水域と海域に排出されるもの、それぞれに排出基準数値が設定されています。さらに、業種ごとにも基準値が決められています。
産業廃棄物分類としては「廃酸」にあたり、危険性の高いものは特別管理産業廃棄物になります。
業者が回収するまでは密閉保管するなどの注意が必要です。
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単体か化合物か、毒性があるのかないのか、産業廃棄物の判別は難しい場合もあります。
誤った処理をして人体や環境への影響を招かないよう、知識と経験を持った当社にぜひご相談ください。
※当社は法人様のみのご対応となります。