マスクの着用でお馴染みになった不織布は、衣料、医療、土木建築などの分野でも幅広く使用されています。
化学繊維で作られているものも多い不織布は、リサイクルできるのでしょうか?
こちらのコラムでは、布繊維のリサイクル処理について解説いたします。
目次
不織布とは?
不織布とは、その名のとおり「織らない布」のことです。
布は繊維を撚って糸にして縦糸と横糸を均一に織って作りますが、不織布は繊維を一定方向かランダムに重ねて作ります。
科学的に結合する、機械的に絡ませる、水圧で絡ませるなどの方法があります
。小さな隙間が無数にできるポーラス(多孔質)構造がにより、通気性・吸水性・吸湿性・ろ過性・保温性などの特徴があります。
原料は、綿・麻・絹・羊毛・パルプなどの天然繊維と、ナイロン・ポリエステル・ポリプロピレン・アクリル繊維などの化学繊維があります。
繊維くずとは?
不織布は、廃棄物分類では「繊維くず」になります。
繊維くずとは、木くずや天然繊維くず、羊毛くず、布くずなどの繊維でできた廃棄物のことです。種類は大きく分けて3つあります。
・天然繊維由来/綿・絹・ウールなどの天然素材。環境負荷が小さい。
・化学繊維由来/ナイロン・アクリル・ポリエステルなどの合成繊維。自然界での分解が難しい。
・混合繊維/天然繊維と化学繊維の混合素材。分解性が複雑で、環境への影響が計りにくい。
また、繊維の原材料や排出場所によっては、合成繊維は「廃プラスチックに」分類されるものもあります。
法分類として「繊維くず」に該当する廃棄物は業種指定があります。
詳しくはこちらをご覧ください。
業種指定のある産業廃棄物とは?|丸商の産廃コラム|廃棄物処理・環境コンサルティングの株式会社丸商
リサイクルの方法は?
回収された繊維くずは、再生処理できるものとできないものに分けられます。
これまでは、繊維くずをほぐして新たに繊維として利用するか、原料として再利用していましたが、繊維の原料によっては従来の方法でのリサイクルには向かない繊維くずもあります。
リサイクルの方法は、製品の原料や材料にするマテリアルリサイクル。
化学処理によって原料に戻してから再利用するケミカルリサイクル。
焼却時の熱エネルギーを回収するサーマルリサイクルがあります。
リサイクルできない繊維くずは、粉砕や焼却をして埋め立て処理されます。
繊維くずはリサイクル可能で、不織布もリサイクルしやすいものです。
原材料によって再利用可能かどうかの判断や対応可能な業者の選定などのご提案をいたしますので、ぜひご相談ください。
※当社は法人様のみのご対応となります。