水銀は、常温で液体状の金属です。
水俣病でその名を広く知られることとなった、人体にも環境にも影響を及ぼすものです。
有害な水銀を含んだ産業廃棄物の処理はどのようにすればよいのでしょうか?
こちらのコラムでは、水銀含有ばいじん等について解説いたします。
目次
水銀含有ばいじん等とは?
廃棄物処理法の改正により、平成29年から廃棄物の種類として「水銀含有ばいじん等」と「水銀使用製品廃棄物」という定義が追加になりました。
水銀汚染廃棄物の中で、特別管理産業廃棄物に該当しないものが「水銀含有ばいじん等」に該当します。
種類は、燃え殻・鉱さい・ばいじん・汚泥で15mg/kgを超えて水銀を含有するもの。
廃酸・廃アルカリで15mg/Lを超えて水銀を含有するものとされています。
また、それぞれ水銀の含有量に応じて、水銀の回収が義務付けられるものの数値が決められています。
水銀使用製品廃棄物との違いは?
水銀使用製品廃棄物の定義は3つあります。
①/定められた対象製品であること。
(蛍光ランプ・放電ランプ・一次電池・農薬・体温計・顔料・医薬品など他数種類)
②/①で定められた対象製品を使用して作られた製品。
③/①②以外で水銀やその化合物を使用していることが表示されている製品。
また、種類によって組込み製品は水銀使用製品産業廃棄物の対象ならないものや、水銀回収が義務付けられているものもあります。
廃棄処理の方法
「水銀に関する水俣条約」が2016年に締結され、健康や環境への被害防止のため、廃棄処理の新たな措置が定められました。
「水銀含有ばいじん等」「水銀使用製品廃棄物」共通の措置は、許可証取得・マニフェスト・委託契約書・保管場所の掲示板・帳簿への明記、があります。
「水銀含有ばいじん等」には、共通項目に加えて、水銀含有ばいじん等の許可を取った収集運搬・処分業者に委託すること。
水銀回収が義務付けられている製品の処理は水銀回収が可能な業者に委託すること。
水銀やその化合物の飛散防止措置を講じること。
水銀回収対象物は、適切な加熱工程で水銀を回収すること、があります。
水銀は自然環境にも人の健康にも悪影響を及ぼしますので、廃棄処理の際は特に注意が必要です。
ひと口に「水銀」と言っても、その含有量や製品によって廃棄物分類が異なります。
選別がわからないなど、お困りの際はぜひご相談ください。