鉄などの錆を防止する目的で使用されることの多い亜鉛は、リサイクルが難しいとされてきました。
自動車や家電など様々な製品で使用されている亜鉛は、どのように廃棄すればよいのでしょうか。
また、リサイクルはできるのでしょうか。
こちらのコラムでは、亜鉛の廃棄方法について解説いたします。
目次
亜鉛とは?
亜鉛とは、鉄やアルミ、銅などについで消費量の多い金属です。
溶融亜鉛鍍金加工、電気鍍金加工、化成品、伸銅品、構造物の防錆、自動車部品ダイカスト、アルカリ電池の材料など、多くの分野で使用されています。
鉄、アルミ、銅に比べて低温で融点が低いことから鋳造に適しています。
鉄に対する犠牲的防食作用が強いことからも鉄鋼の防食には欠かせない存在で、他の金属に加えて合金としての特徴を発揮します。
また、陶磁器、日焼け止め、建築材料、医療の分野でも軟膏薬の原料などとして幅広く使用されています。
廃棄処分の方法は?
亜鉛の廃棄物は、下水、地中、水中などに廃棄してはいけません。
産業廃棄物として許可をとった収集運搬・処理業者に委託して処分します。
亜鉛自体は人体に有害な物質ではありませんが、使用後の亜鉛は様々な物質が混ざっていることがあるので、無害化、安定化、中和などの処理をして有害性レベルを低下させます。
亜鉛の有機化合物は第3類危険物に、亜鉛の金属粉は第2類危険物に指定されています。
亜鉛を含む重金属の処理方法は、凝集沈殿方、吸着法などがあります。
また、廃棄物が回収されるまでは密閉容器で保管するなどの規則があります。
リサイクルはできるの?
鉄の防錆として用いられる過程では亜鉛自体が酸化溶出していくこともあり、リサイクルが難しいとされてきました。
例えば、亜鉛メッキ鋼板のスクラップなどを原料として鋳造する際に発生するダスト(煙灰)には大量の亜鉛が含まれていますが、あまりリサイクルされていませんでした。
しかし、鍍金やダイカスト工程で発生する廃棄物を原料とするリサイクルが行われていることや、鉄鋼生産炉で発生するダストのリサイクル技術が進み、現在、日本国内での亜鉛リサイクル率は20%〜25%となっています。
脱炭素に向けた取り組みは様々な分野で行われていますが、鉄鋼業界でも広がりつつあり亜鉛のリサイクル率も上がっています。
また、重金属の廃棄物は取り扱いにも様々な規制がありますので、ご不明な点などはぜひご相談ください。
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