石炭を燃焼した後に残る石炭灰は、日本国内では大変多くの量が発生しています。
廃棄物となった石炭灰はどのように処理するのでしょうか。また、リサイクルはされているのでしょうか?
こちらのコラムでは、石炭灰の処理とリサイクル方法について解説いたします。
目次
石炭灰とは?
石炭灰は、火力発電などで石炭を燃焼させた際に発生します。
石炭を燃焼するとそのうち約1割の石炭灰が発生すると言われています。
石炭灰には「フライアッシュ」と「クリンカアッシュ」の2種類があります。
フライアッシュは微細な粉状のものです。石
炭灰のほとんどは粒子が非常に細かいので燃焼ガスと共に運ばれ、これらを集塵機などで取り除いた灰のことです。
クリンカアッシュはボトムアッシュとも言われ、高温のボイラーの中で溶けてくっついた灰が、ボイラーの底に落ちて蓄積したもののことです。
処理方法
石炭灰は産業廃棄物として、業者に処理を委託します。
廃棄物の形状により「ばいじん」と「燃え殻」に分類されます。
ばいじんは、ものを焼却した際に発生する微粒子のことなので、フライアッシュは「ばいじん」。
燃え殻は、焼却時に残った、集塵機で集める必要のないカスのことなので、クリンカアッシュは「燃え殻」。
石炭灰でもフライアッシュかクリンカアッシュかによって分類と処理の方法が変わります。
産業廃棄物処理の方法としては、管理型最終処分場での埋め立て処理、コンクリート固化、キレート固化などで安定化して処理する、などがあります。
リサイクルの方法は?
石炭灰は、フライアッシュ、クリンカアッシュともにリサイクルが可能な廃棄物です。
現在、発生する石炭灰の約90%以上が有効利用されています。
主な利用分野は、セメント分野、土木分野、建築分野ですが他にも様々な産業で再利用されています。
フライアッシュは、セメントやコンクリートの原料、建材・資材、土壌改良剤、地盤安定剤、路盤材など。クリンカアッシュは、セメント原料、コンクリート、肥料、肥料、培養土、地盤改良材、道路材、除草剤、緑化基盤剤など、様々な製品に生まれ変わり再利用されています。
石炭灰はエネルギーの分野で排出量の多い廃棄物ですが、正しい処理を行うことでリサイクルでき、様々な分野で活躍できます。
産業廃棄物の最終処分量を削減していくためにも積極的にリサイクルに取り組む方法をご提案いたしますので、ぜひご相談ください。
※当社は法人様のみのご対応となります。