鉱物を高温で溶解した際に発生する鉱さいは、不純物であり産業廃棄物です。廃棄処理する場合はどのようなことに注意が必要なのでしょうか?
こちらのコラムでは、鉱さいの特徴、処分方法、注意点などについて解説いたします。
目次
鉱さいとは?
鉱さいとは、鉄やニッケル、クロムなどを精錬する際の過程で、目的成分以外の不純物や副産物として発生する溶融物です。
電気炉や平炉、高温炉内で発生するカスの一種で、スラグとも呼ばれます。
鋳造製品の鋳型として使用された鋳物砂や、粉炭かす、不良石炭などがあります。
全てではありませんが、定められた物質の含有量が産業廃棄物処理法の基準値を上回るものは、特別管理産業廃棄物として、
また、その中でも有害物質が含まれるものは、特定有害産業廃棄物となります。
排出業種と種類
鉱さいには「金属製造工程起源スラグ」と「廃棄物加熱溶融起源」があります。
「金属製造工程起源スラグ」の中でも「鉄鋼スラグ」「非鉄金属スラグ」に分けられます。
鉄鋼スラグは、鉄鋼の製造過程で生じる金属製造スラグ。
非鉄金属スラグは、ニッケル・亜鉛・銅などの非鉄金属の精錬過程で生成される銅スラグやフェロニッケルスラグ、亜鉛スラグなどです。
鉱さいの主な排出業種は製造業で、鉄鋼業、非鉄金属製造業、輸送用機械器具製造業、ゴム製造業など。
その他、ごみの焼却や汚泥処理でも鉱さいが発生します。
廃棄処理の方法
鉱さいは産業廃棄物なので、廃棄処理の際は許可を持っている専門業者に運搬・処分を委託します。
有害物質が含まれるもの、またその含有量によって、特別管理産業廃棄物に分類される場合があります。
特別管理産業廃棄物は毒性や危険性が高い産業廃棄物で、さらに厳しい基準が定められています。
水銀、ヒ素、カドミウム、鉛などの含有量が、定められた基準を上回れば特別管理産業廃棄物となります。
回収された鉱さいは、再利用が難しいものは埋立処分されます。
有害物質を含まないものは管理型最終処分場、有害物質を含む鉱物性廃棄物は遮断型最終処分場に埋め立てられます。
ひと口に「鉱さい」と言ってもその種類は様々です。
発生の工程や有害物質の含有量などによって廃棄物分類が変わります。
廃棄物によっては特別管理産業廃棄物に該当する場合があるので、誤った処理方法は危険です。
判別の方法や業者選びなどにお困りの際はぜひご相談ください。