持続可能な社会を目指す取り組みが進む中、リサイクルに力を入れている企業も増えています。
しかし、産業廃棄物の全てがリサイクル可能なわけではなく、課題もあります。
こちらのコラムでは、リサイクルのメリットとデメリットについて解説いたします。
リサイクルの現状
リサイクルとは、廃棄物を材料やエネルギーとして再利用することで資源を循環させ、環境への負荷を削減することが目的です。
段ボールや紙類、ペットボトルなど、身近にリサイクル製品は存在しています。
廃棄物の種類によってかなりばらつきがありますが、日本における産業廃棄物全体のリサイクル率は約50%。
しかし、世界的水準ではまだまだ低い位置にあります。
日本は廃棄物を焼却する際の熱エネルギーを回収して再利用する「サーマルリサイクル」率が高いので、資源循環に貢献できる、廃棄物を材料として再利用する「マテリアルリサイクル」率を増やしていくことが必要です。
リサイクルのメリットと効果
リサイクルにはメリットが多くあります。
資源を循環させることで、焼却・埋め立て処理される廃棄物を削減できます。
それにより、最終処分場の逼迫問題にも貢献できます。
マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを増やすことで、焼却処理を減らし、二酸化炭素のような温室効果ガスの排出量を抑えることにも繋がります。
また、限りある天然資源の消費量を削減することもできます。
他にも、排出事業者にとっては、処理コストの削減やSDGsへの取り組みにより、企業価値を上げることにも繋がるメリットがあります。
リサイクルのデメリットと課題
良いことばかりに見えるリサイクルにも、デメリットはあります。
現状、リサイクル製品を製造する工程で、却ってコストがかかってしまう場合があります。
その理由としては、廃棄物に不純物が混合されていると、再生品の品質劣化の恐れがあること。
汚れがひどいものや、有害物質などが付着していると廃棄物の洗浄を徹底しなければならないことがあります。
例えば、プラスチックのリサイクルの場合は異素材では難しいため、分別が必要です。
複合素材の場合は分別も複雑で困難になるので手間もコストもかかってしまうからです。
問題の多いプラスチックのリサイクルは今後特に分別を徹底し、マテリアルリサイクルを増やしていくことが求められています。