目次
はじめに
産業廃棄物を処理する際に多くの企業が悩むのが、「焼却処理に回すべきか」「リサイクルに回すべきか」 という判断です。
コストだけでなく、環境への配慮、法規制対応、取引先からの要求など、選択に影響を与える要素は多岐にわたります。
本記事では、代表的な処理方法である「焼却」と「リサイクル」を比較し、選択基準を整理します。
廃棄物処理の主な方法
1. 焼却処理(単純焼却)
- 特徴:高温で燃焼させ、減容化と無害化を目的とする処理方法。
- メリット:
- 廃棄物を大幅に減量できる
- 感染性廃棄物などリサイクルできない廃棄物に対応可能
- デメリット:
- CO₂排出など環境負荷が大きい
- 処理費用が相対的に高い場合がある
2. サーマルリサイクル
- 特徴:焼却時に発生する熱エネルギーを回収し、発電や熱供給に利用する方法。
- メリット:
- 単なる焼却に比べ、エネルギーを有効利用できる
- 廃棄物削減と再資源化を両立可能
- デメリット:
- 専用設備が必要で、受け入れ先が限定される
- 「リサイクル」として扱われにくい場合がある
3. マテリアルリサイクル
- 特徴:廃棄物を再資源化し、新しい製品や原料として利用する方法。
- メリット:
- 資源循環につながり、環境負荷を大幅に低減
- 企業のCSR・ESG対応として評価されやすい
- デメリット:
- 分別・前処理のコストや手間がかかる
- 再資源化ルートが安定しない場合がある
選択基準となる3つの視点
- コスト面
- 単純焼却は一括処理ができるためシンプルだが、処理単価が高めになりやすい。
- マテリアルリサイクルは前処理コストが増えるが、有価物化できれば費用を抑えられる。
- 環境配慮
- CO₂削減や資源循環を求められる企業では、リサイクルが評価されやすい。
- 一方で感染性や危険性の高い廃棄物は焼却が必須。
- 法規制・取引先要求
- ISO14001や取引先からの環境配慮要求により、リサイクル率向上を義務付けられるケースが増加。
- 契約条件や監査対応の観点で選択が左右されることもある。
まとめ
廃棄物処理は「焼却=悪」「リサイクル=善」と単純に分けられるものではありません。
重要なのは、廃棄物の性状・コスト・環境配慮・法規制対応を総合的に考慮し、自社に最適な処理ルートを選択することです。
企業としては、まず現状の処理フローを可視化し、どの廃棄物がリサイクル可能かを洗い出すことが第一歩となります。
当社では、焼却や埋立て処分からリサイクルへの提案実績も多数ございます。
トータルコストも考慮した上でベストなご提案をします。お気軽にお問い合わせください。
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