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廃棄物は「処理費用を払って捨てるもの」という常識は変わりつつある
多くの企業では、廃棄物処理は「必要コスト」として処理費用を支払うのが一般的です。
しかし近年、廃棄物を再資源化し「売却収入を得る」動きが広がっています。
つまり、廃棄物はもはや“コスト”ではなく、適切に選別・加工することで“資産”に変えることができるのです。
本記事では、有価物化の具体例と実際の導入ステップをご紹介します。
廃棄物が「資産」に変わる仕組みとは?
有価物化とは、廃棄物の中から再利用価値があるものを選別し、リサイクル業者や資源メーカーに「売却する」取り組みです。
例えば以下のような廃棄物は価値を持っています。
有価物化されやすい主な品目
品目 | 主な発生業種 | 市場価値の理由 |
---|---|---|
金属くず(鉄・銅・アルミ等) | 製造・建設 | 世界的な資源価格の高騰 |
廃プラスチック各種 | 自動車・食品容器 | 再生プラ需要の拡大、脱炭素の進展 |
紙くず | 印刷・物流 | 古紙パルプとして再生可能 |
使用済み溶剤・廃油 | 化学・塗装 | 蒸留再生や燃料代替として利用 |
これらの廃棄物は、不純物が少なく、選別状態が良いほど高値で取引されます。
成功事例:逆有償処理から年間数百万円の収益化へ
【ケース1:電子部品メーカー】
- 課題:プラスチック端材を産廃処理しており、年間約300万円の処理費用が発生
- 改善:樹脂の種類ごとに分別し、圧縮梱包機も導入
- 結果:再資源化業者が買い取ることになり、年間100万円の「売却収入」が発生
- 効果:実質400万円のコスト改善(処理費300万円削減+収益100万円)
【ケース2:食品工場】
- 課題:食品残渣を産業廃棄物として処理
- 改善:飼料メーカーと連携し、有機性資源として活用
- 結果:処理費用ゼロ、さらに1トンあたり数千円の収入に
- 効果:環境報告書に「廃棄物排出量の削減」として掲載し、ESG評価向上にも寄与
有価物化の導入ステップ
STEP1:現状廃棄物の“棚卸し”
- 排出している廃棄物の種類・発生量・含有物を整理
- どの廃棄物が有価物化できる可能性があるかを調査
STEP2:前処理・選別体制の整備
- 樹脂・金属など、混合廃棄を分別するだけで価格が3倍以上になることも
- 圧縮機や洗浄機の導入で、不純物を減らし価値を向上
STEP3:複数のリサイクル業者へ見積り
- 買取価格は業者によって大きく異なるため、比較が必須
- 月単位での相場変動もあるため、契約条件の見直しも重要
STEP4:契約・法令対応
- 有価物として取引する場合でも、マニフェストや帳簿管理が必要な場合あり
- 「有価物か廃棄物か」の線引きは自治体の判断によるため、事前確認が不可欠
まとめ:廃棄物は「見る視点」を変えれば価値に変わる
廃棄物の有価物化は、単なるコスト削減にとどまらず、
・経営の収益性向上
・ ESG・SDGsへの貢献
・ 廃棄物排出量削減による社会的評価の向上
といった多くのメリットをもたらします。
「廃棄物を捨てる時代」から「廃棄物で稼ぐ時代」へ
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