コスト削減と資源循環を同時に実現するためには?
産業活動から発生する廃液は、従来「処理費がかかるもの」と捉えられてきました。
しかし近年、資源価格の高騰や企業の環境経営推進により、廃液の中に含まれる成分を回収して有価物化する動きが強まっています。
では、どのような廃液が、どのような条件で「価値ある資源」に変わるのでしょうか?
目次
成分濃度と回収効率
廃液に含まれる主成分(例:銅、ニッケル、希少金属、有機物など)の濃度が高いほど価値は高まる
① 前処理により濃縮できるかも重要
② 規格(不純物の有無)を満たすと売却先が拡大する
市場ニーズ・再資源化先の確保
有価物化は 出口が確定して初めて成立
①金属は製錬・精錬工場
② 有機系なら燃料化や化成品原料
③ pH調整剤の再生利用なども可能
→ 需要を事前に調査し、相場変動にも注意
安全性・法的適合性の確認
廃掃法では「有価物」と認められるには条件あり
- 取引としての価値があること
- 適切な保管・運搬ができること
- 処理を伴わずに利用できる状態が望ましい
→ 曖昧なまま進めると 違法な「名ばかり有価物」のリスク
発生段階での分別管理
混入物が増えると価値が一気に低下
・ 排出工程からの分離
・ ライン別管理
・ 清浄な状態で回収
→「発生段階のひと工夫」が最も効果的
LCA視点でのメリット評価
有価物化にはコストがかかる場合も
・ 投資効果(費用削減+売却益+環境価値)を総合評価
・ ESG・再生率アップが入札評価に影響する場合も
→ 「環境」と「経済」の両方でプラスになるかが重要です。
まとめ
| 比較軸 | 中和処理(従来型) | 有価物化(資源循環型) |
|---|---|---|
| 処理費用 | 継続的に増加傾向 | 削減 or 収益化の可能性 |
| 環境貢献 | 低い | 高い(循環型評価UP) |
| 将来性 | 規制強化リスク | 資源確保の観点で重要性拡大 |
「廃液は廃棄物」から
「廃液は資源」へと発想を転換する時代に入っています。
専門家を活用する価値
有価物化には
・成分分析
・市場調査
・法令適合性確認
・再資源化先の選定
が不可欠であり、排出事業者単独では判断が難しいケースが多いです。
弊社では、廃液の資源性評価から再資源化スキーム構築まで トータルで支援可能です。
もし現在、
・中和処理コストが増加している
・再資源化ができるのか判断できない
・今の委託先のままで良いか不安
といった課題があれば、ぜひお気軽にご相談ください。


