産業廃棄物を処理委託する際に、処理業者の許可証を必ず確認されていると思います。
その際に、丸印で「優良」と記された表記を目にすることがあります。
これが「優良産廃処理業者」に認定された証明です。
優良産廃処理業者になるとどんなことに有利になるのでしょうか。
今回のコラムでは、優良産廃処理業者認定制度について解説していきます。
目次
具体的にはどんな制度?
これは通常の許可基準よりさらに厳しい基準をクリアした優良な処理業者を認定する制度です。
排出事業者が委託する処理業者に対する評価が求められ、優良な処理業者を公表することが目的とされています。
管轄は、各都道府県・政令市が審査しています。
詳しい基準は以下の通りです。
遵法性
許可期限内にて、5年以上の実績があること。
その間に特定不利益処分(許可取り消しや停止命令など)を受けていないこと。
事業の透明性
法人情報、許可内容、廃棄物の処理状況など定められた情報をインターネットで公表していること。
また、所定の頻度で情報を更新していること。
環境配慮
ISO14001、エコアクション21等の認証を受けていること。
電子マニフェスト対応
電子マニフェストシステムに加入し、電子マニフェストに対応していること。
健全な財務体質
自己資本比率や経営利益金額等が基準を満たしていること。
法人税や消費税、住民税、社会保険料・労働保険料等の滞納がないこと。
優良産廃処理業者のメリットは?
優良産廃処理業者には、排出事業者と処理業者どちらにもメリットがあります。
処理業者
処理業者として、一番大きなメリットとしては、排出事業者からの評価があがります。
中には優良産廃処理業者にしか依頼しない企業もあるでしょう。
よって、産業廃棄物の処理を委託される機会が増えることになります。
当然、許可証にも優良マークがつきますので大きくアピールが可能です。
また、許可の有効期限が5年から7年に延長されます。
更新頻度が減ることが、更新手続きの手間や手数料が減るメリットがあります。
他にも更新申請時の一部省略や財務投融資における金利優遇などメリットが多数あります。
排出事業者
一番大きなメリットは、適正処理に関することです。
通常より厳しい基準をクリアしていることから、処理業者側による不適切処理というリスクを減らせます。
排出事業者責任において、信頼のおける処理業者へ委託することは重要なポイントです。
透明性が高く、厳しい基準にも適合している業者を積極的に選択することで事業活動におけるアピールにもなりえます。
「優良産廃処理業者だから不適正処理は絶対にない」
「優良産廃処理業者ではないから不適正処理の可能性が高い」といったことではありません。
最終的には、排出事業者自身でしっかりと見極めて処理を委託するかどうか決定しましょう。
まとめ
優良産廃処理業者認定制度とは、管轄する都道府県や政令市が認定する評価制度です。
通常よりも厳しい基準をクリアした処理業者が対象として認定されます。
排出事業者が産業廃棄物処理を委託する際の評価するために大きな意味があります。
より信頼のおける処理業者に委託するための指標にもなるでしょう。
認定されることに、排出事業者と処理業者どちらにもメリットがあります。
排出事業者として、優良産廃処理業者を1つの指標として検討してみるのも良いと思われます。