研究所や工場、学校などで長期間保管された薬品の中には、ラベルが剥がれて内容物が分からなくなった「不明薬品」が少なくありません。
性状が不明な薬品は、化学反応や発火、爆発などの危険があり、安易に流したり混ぜたりすることは法律上も禁止されています。
安全かつ適正に処理するためには、正しい手順を踏むことが重要です。
今回は不明薬品、不要薬品、化学薬品、試薬、劇薬、廃液、不明な液体などの処理方法を解説いたします。
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目次
不明薬品とは

例えば、
「製造実験に用いられていた廃液」
「研究所の解体、研究者の退職等によって廃棄する試薬・薬品」
「ラベルが剥がれた農薬」 など化学的な廃棄物を言います。
見た目だけで判断することは非常に困難でしょう。
具体的な産業廃棄物の法分類は「廃油」「廃酸」「廃アルカリ」が該当します。
中には特別管理産業廃棄物に該当する廃棄物もあります。
特別管理産業廃棄物とは?詳しくはコチラをご覧ください。

特別管理廃棄物規制の概要
廃棄物処理法では、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」を特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物(以下、「特別管理廃棄物」という。)として規定し…
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不明薬品の廃棄はまず「成分分析」から

不明薬品は中身が特定できないため、最初に成分分析を行います。
サンプルを採取し、有機・無機、酸・アルカリ、金属含有などの性状を調べます。
分析にはGC-MSやICPなどの装置が使われ、結果をもとに処理方法が決定します。
内容によっては、特別管理産業廃棄物としての対応が必要になる場合もあります。
こちらの記事も参考にご覧ください。

化学系廃棄物の処理について注意したい点|化学系廃棄物、薬品、試薬|対応品目|廃棄物処理・環境コンサルティングの株式会社丸商
処理方法の種類と注意点
不明薬品の処理方法には、中和処理、焼却、蒸留再生、吸着分離などがあります。
特に過酸化物やニトロ化合物など、反応性が高い物質は専門施設での安全処理が求められます。
少量であっても、性状不明のまま混ぜる行為は危険です。
予期せぬ化学反応や有毒ガス発生につながるおそれがあります。
保管時の安全管理も徹底を
廃棄までの間は、安全に保管することも大切です。
容器は密閉・耐薬品性のあるものを使用し、直射日光や高温を避けます。
酸とアルカリ、酸化剤と還元剤など、反応しやすい薬品は必ず分けて保管してください。
万一の漏洩に備え、中和剤や吸着材を常備しておくと安心です。
費用の目安とコストを抑える工夫

量が少なければ物によって、瓶1本あたり1万円程度のものから数万円を超えるものもあります。
一定の量があれば、50円~数百円/kg程で処理されるケースが多いです。
費用は分析と処理を合わせて、少量でも数万円から発生する場合があります。
成分や数量によって変動しますが、事前に情報を整理しておくことで見積もりがスムーズになります。
ラベルを残す、混合を避けるなど、日常管理を徹底することがコスト削減にもつながります。
まとめ
不明薬品は、産業廃棄物として適切に処理する必要があります。
分析等によってしっかりと把握しましょう。
不明薬品を「わからないから」と放置するのは最も危険です。
早めに専門業者へ相談し、成分を特定したうえで適切に処理することが、環境保全と安全確保の第一歩となります。
少しでも不明な点があればお気軽にお問い合わせください。



