産業廃棄物の処理費用が年々上昇する中で、「どうすればコストを抑えられるか?」という相談は増え続けています。
その原因の一つが、「混合廃棄物」の扱いにあります。
目次
■ 混合廃棄物とは?
混合廃棄物とは、紙くず・廃プラスチック類・木くず・金属くずなど、複数の種類の廃棄物が混ざった状態で排出されるものを指します。
現場では「まとめて廃棄した方が早い」と思われがちですが、処理業者にとっては分別作業の手間や設備負荷が増えるため、処理単価が高く設定されるのが一般的です。
■ 混合廃棄物がコストを押し上げる理由
- 中間処理工程の増加
選別・破砕・手選別などの工程が必要となり、人件費・エネルギーコストが増加します。 - リサイクル率の低下
素材ごとに分離が困難なため、焼却や埋立に回る割合が高くなります。 - 有価物の損失
プラスチックや金属など、再資源化可能なものも「混ざっている」ことで有価として扱えません。
つまり、“分けずに出す”ことが、結果的に“高くつく”という構造になっています。
■ コスト削減のための分別改善ポイント
- 発生源での分別ルールを明確化
部署・工程ごとに廃棄物の種類を整理し、「どの廃棄物をどの容器へ入れるか」を明文化します。 - 排出時のチェック体制を構築
混入が多い部署や作業時間帯を特定し、重点的に教育や指導を行う。 - 容器やラベルの統一
現場で迷いが生じにくいよう、色分け・表示を統一するだけでも誤廃棄が大幅に減少します。 - リサイクル可能物の明確化
処理業者と連携して、「有価として売れる廃棄物」「安価に処理できる廃棄物」を仕分け、
混合物を減らす計画を立てます。 - 定期的な見直し
製造ラインや原料が変われば、廃棄物の性状も変わります。年1回の現場調査で最適化を図ることが重要です。
■ 分別が生む「見えない利益」
分別精度が高まることで、単に処理費用が下がるだけでなく、
・有価売却による収益化
・リサイクル率向上による環境評価の改善
・現場の安全性・整理整頓の向上
など、企業全体に波及効果が生まれます。
特にESG経営・サステナビリティを重視する企業では、「分別の仕組み」そのものが評価対象になる時代です。
■ まとめ
混合廃棄物の増加は、企業にとって“コストの見えない落とし穴”です。
処理業者任せにせず、排出現場の分別体制を整えることが、結果的に処理費の削減と環境価値の両立につながります。
廃棄物の分別やコストダウンなどお気軽にお問い合わせください。