苛性ソーダは代表的なアルカリ性の物質で、液体のものは小学校の理科の実験でも使われることがあります。
幅広い産業に使用されていますが、廃棄物となった苛性ソーダはもちろん下水放流することはできません。
産業廃棄物としてはどのように処理すればよいのでしょうか?
こちらのコラムでは、苛性ソーダの廃棄処理方法について解説いたします。
目次
苛性ソーダとはどんなもの?
苛性ソーダとは、水酸化ナトリウムと言われる無機化合物です。
強いアルカリ性を持ち、汎用性が高いことから工業的には重要な基礎化学品のひとつです。
腐食性で不燃性、無色又は灰色の個体で匂いはありません。
多くは化学工業の分野で、強アルカリという性質から様々な酸との中和、物質の溶解、金属元素や化合物との反応、還元剤などに使用されています。
プールや上下水道の殺菌・消毒、製紙工業ではパルプの製造、石鹸や合成洗剤の製造、化学繊維の製造、廃棄物や排水の処理工場等で幅広く使われています。
人体に害はあるの?
苛性ソーダは、薄められた液体でも繰り返し接触していると、皮膚炎や慢性湿疹を引き起こす可能性があります。
高濃度の液体の場合には急激に皮膚が腐食します。
誤って飲んでしまうと、口の中や喉、食道、胃などに炎症を起こします。
霧状になったものや粉じんの吸入でも、気道に傷害が起きることがあります。
また、多量の苛性ソーダを一気に水の中に入れると突沸して飛散し、火傷の原因にもなるなど、取り扱いには注意が必要です。
産業廃棄物の処理方法は?
産業廃棄物のうちで、廃ソーダ液をはじめとする全てのアルカリ性廃液は「廃アルカリ」となり、苛性ソーダもこれに該当します。
廃アルカリを中和処理した際に発生する沈殿物は汚泥として扱われ、廃アルカリとは異なる方法で処理されます。
廃アルカリでもph12.5以上の腐食性があるものは、特別産業廃棄物に指定されています。
さらに、重金属、PCB、農薬、有機塩素化合物、ダイオキシン、1,4-ジオキサンを一定濃度以上含んでいると、特定有害産業廃棄物に分類されます。処理の方法としては、焼却処分、中和処理ですが、中にはpH調整剤や中和剤として再利用できるものもあります。
毒劇物に指定されていて腐食性がある苛性ソーダは、産業廃棄物としての運搬も処理方法も法律で厳しく定められています。
適正処分のためにもぜひご相談ください。