薬品の製造や医学の分野では、日々様々な実験や研究が行われています。
その過程からは有害性や感染性の高い廃棄物も排出されています。
このような危険性が高い廃棄物はどのように処理すればよいのでしょうか?
こちらのコラムでは、実験廃棄物の処理方法について解説いたします。
目次
実験廃棄物とは?
実験廃棄物とは、薬品の開発・研究における試薬実験、医学の分野での研究など、教育・研究・医療活動などに伴って発生する廃棄物で、製造工場や医療現場、大学の研究機関などから排出されます。
主に、感染や爆発の恐れや有害性があるもの、人の健康や生活環境に被害を生じるもので、特別管理産業廃棄物に該当します。
カテゴリーは、化学的有害廃棄物、生物系廃棄物、感染性または疑似感染性廃棄物、放射性廃棄物などがあり、他にも実験に使用されたプラスチック製品、ガラス製品、大型機器などがあります。
廃棄処理の方法
実験廃棄物には試薬・薬品、分析実験廃液、工業廃液など様々な種類があります。
廃棄物分類では、廃酸、廃アルカリ、廃油、汚泥など有害性が高いものがほとんどなので、実験で発生した廃液などを下水道に排水することはできません。
廃棄物の種類それぞれの許可を得た業者に委託して処理をします。
廃棄物の種類によって、中和・溶解・無害化などの中間処理を行い、リサイクルされるか、焼却、遮断型最終処分場または管理型最終処分場で埋め立て処理されます。
大型機器は実験で使用した有害物質の付着やアスベストが含まれていることもありますし、古い物ではPCB(ポリ塩化ビフェニル)を含んだオイルが使用されている可能性もあるので確認が必要です。
処理の際の注意点
実験廃棄物は危険性が高い産業廃棄物です。
マニフェストを交付することはもちろん、まずは廃棄物の内容情報を正確に把握しておくことが重要です。
中には、複数の化学物質が混在している不明薬品もあり分析が非常に困難です。
内容が不明であれば爆発や感染の危険性も否定できません。
事故を防ぐため、どんな物質を使用した実験により廃棄物が発生したのかという経緯から把握しておく必要があります。
また、容器が腐食・漏洩していると運搬が困難になりますので、回収までの保管も厳重に管理すること、放射性物質は含まれていないかなどの把握も適正処理のために必要です。
複数の化学物質が混在した廃棄物は非常に危険ですから、適正処理のために内容を正確に把握することが重要です。
分別の方法や保管場所の整備、専門業者の選定など、などお困りの際はぜひご相談ください。
※当社は法人様のみのご対応となります。