ホルマリンと聞くと、生物の標本などを思い浮かべる方も多いと思います。
工業的にも、住宅建材や樹脂の原料、医薬品の原料など様々な産業に使用されています。
廃液となったホルマリンはどのように廃棄処理すればよいのでしょうか?
こちらのコラムでは、ホルマリンの廃棄物処理方法について解説いたします。
目次
ホルマリンとは?
ホルマリンとは、ホルムアルデヒド水溶液のことです。
無色透明で独特の刺すような強い刺激臭があり、通常温度で気化する可燃性の液体です。
生物の標本を作るうえで防腐処理や固定をしたり、住宅、自動車、家電などの様々な分野でも合成ゴム、塗料、ウレタンの原料などとして幅広い産業で使用されています。
殺菌性があるので医療の分野では、病室、器具、手術室、医療機器などの消毒用にも使用されています。
また、生地のシワや縮みを防止するために、繊維の製造に使用されることもあります。
こちらの記事も参考にご覧ください。
化学系廃棄物の処理について注意したい点|化学系廃棄物、薬品、試薬|対応品目|廃棄物処理・環境コンサルティングの株式会社丸商
人体への有害性は?
ホルマリンは人体に影響のある強い毒性があります。
「毒物及び劇薬取締法」において劇物に指定され、「特定化学物質障害予防規則」で、発がん性物質とされる第2類物質、特別管理物質に指定されています。
非常に危険な化学物質なので、使用する事業者に対し、紛失や盗難防止、健康障害防止の徹底が求められています。
一度だけ皮膚に触れたり吸入した場合でも、神経系、呼吸器系、視覚器、血液への影響、アレルギー症状が出ます。
さらに長期間のばく露で、呼吸器系、中枢神経、視覚器に障害を起こします。
誤飲してしまうと、激しい腹痛、ショック症状、皮膚炎を発症します。
廃棄物処理の方法
ホルマリン廃液は、産業廃棄物処理法では「廃酸」に分類されます。
廃酸は、特別管理産業廃棄物ですから、もちろん希釈して下水に放流したりしてはいけません。
専門の廃棄物処理業者に委託して処理します。また回収までの保管についても、規則に従い厳重に管理しなければなりません。
こちらも参考にご覧ください。
廃酸とは?種類や処理方法を徹底解説|丸商の産廃コラム|廃棄物処理・環境コンサルティングの株式会社丸商
廃酸の処理方法としては主に「焼却」「中和」があります。
焼却の場合、液体のままでは燃えにくいので、霧状にしたり助燃剤を用いて焼却します。
中和処理は、廃アルカリを使用しますが、中和処理中に廃液に含まれる不純物が汚泥となって発生することもあるので注意が必要です。
劇物に指定され、発がん性もある有害な廃棄物は、正しい知識と適切な処理が求められます。
産業廃棄物は排出事業者に処理の責任があります。
知識と経験を持った業者を探しご提案いたしますのでぜひご相談ください。
※当社は法人様のみのご対応となります。