「フォーエバーケミカル」とも言われるPFOSは、現在使用・生産ともに制限されている化学物質で、自然界ではほとんど分解されません。
油や水をはじき熱に強いという特性から、消化剤や防水用品などに多く使用されてきました。
取り扱いに制限がある物質の処理はどのようにしたらよいのでしょうか?
こちらのコラムでは、PFOS含有廃棄物の処理と注意点について解説いたします。
目次
PFOS含有廃棄物とは?
PFOS(通称:ピーフォス)とは、ペルフルオロオクタンスルホン酸のことです。
工業的に作られる有機フッ素化合物の総称であるPFAS(通称:ピーファス)の一つです。
汚れや油分・水分をはじく、熱に強いなどの特徴があり、界面活性剤としても消化剤、塗料、殺虫剤、防水服、包装紙などの身近な製品に使用されています。
現在は、POPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)によって、残留性有機汚染物質に指定されており、製造も使用も制限されています。
制限される以前に製造された含有製品はまだ国内に存在していて、その廃棄には注意が必要です。
有害性はあるの?
科学的安定性があるがゆえに分解されにくく、自然界や社会環境に存在し、生物への蓄積も確認されました。
蓄積されやすいので継続的に摂取すると、ヒトにも毒性があると懸念されています。
例えば、呼吸器、皮膚、消化器系などに症状が出るといった報告もあります。
そのため、2009年にPOPs条約の対象物質として追加されました。
また日本国内でも、化学物質審査規制法において第一種特定化学物質に指定されました。
処理方法は?
廃棄物としては、自然環境にも人体にもリスクが高い物質なので、PFOS含有廃棄物は適正な処理が必要です。
通常の処理方法は、まず物性確認のためサンプル分析を行い、その後ポリタンク、ドラム缶、一斗缶などで、ローリー車やバキューム車によって運搬されます。
処理方法は、焼却炉内への直接噴霧により完全燃焼します。
それに伴い回収運搬などでPFOSが付着した容器も処理します。
これまで身近な製品で使用されてきたPFOSですが、含有廃棄物は今後の地球環境のためにも世界規模でその取り扱いには慎重になっています。
ご不明な点などぜひご相談ください。