医療廃棄物の処理は世界的に規制が整備されていますが、発展途上国での処理施設不足などの問題や、COVID19のパンデミックで医療廃棄物の排出量が急激に増加したことによって新たな課題も出てきました。
このような問題を解決していくためにはどのような処理が必要なのでしょうか?
こちらのコラムでは、医療廃棄物の処理とリサイクルについて解説いたします。
目次
医療廃棄物の種類
医療廃棄物とは、医療関係機関などにおいて医療行為に伴い排出される廃棄物のことです。
医療機関から排出された廃棄物のうち、産業廃棄物処理法に定められた20種類の廃棄物は、産業廃棄物に区分されます。
例えば、メスや注射針などの鋭利な医療機器、レントゲン定着液、血液などです。
また、廃棄物処理処理法の種類としては、感染リスクの区分によって「感染性廃棄物」と「非感染性廃棄物」に分けられ、それぞれに処理方法が異なります。
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医療廃棄物の処理はどうする?
「感染性廃棄物」は特別管理産業廃棄物、特別管理一般廃棄物。
「非感染性廃棄物」は産業廃棄物、一般廃棄物です。
感染性廃棄物は原則として排出する医療関係機関等で中間処理をすることが求められおり、方法としては、焼却、滅菌、溶融、消毒などです。
施設内で中間処理ができない場合は、許可を受けた専門業者に処理を委託します。
感染性廃棄物を施設内で保管しておく際にはバイオハザードマークが付いた損傷しにくい容器で、内容物を明記して管理します。
感染性廃棄物処理はマニフェストが交付されますので、最終処分終了を確認して受領した日から5年間保存します。
リサイクルは?
医療廃棄物は性質上、直接最終処分場に埋め立てることはできませんので、焼却または溶融処分されますが、一部リサイクルが可能なものもあります。
例えば、感染リスクの高い注射針やメスなども、2000℃以上の高温で医療廃棄物を完全無害化溶融するシステムも開発されています。
この方法は、注射針の取り外しが不要なので、針刺し事故が防げますし、回収・運搬・溶融まで一連の流れを管理できます。
また使い捨ての注射器やバイアルなどのプラスチック容器や紙類を再利用することで資源の有効活用にもつながります。
医療関係機関から排出される廃棄物の処理責任は、排出者側が負う必要があります。
感染性廃棄物か非感染性廃棄物かによって処理の方法が異なりますので、ぜひご相談ください。