塩酸は3代強酸(硫酸、硝酸そしてで塩酸)の一つになります。
塩酸は多くの工場や研究機関で使用される重要な酸ですが、廃棄方法を誤ると重大な健康被害や法的リスクを招きます。
本記事では、実際の産業廃棄物処理現場での経験をもとに、塩酸の廃棄に関する実務的な手順、安全対策、法規制、そしてコスト削減につながる適正管理のポイントを解説します。
この記事は、廃棄物処理業者・製造業の担当者・環境管理責任者に最適な一次情報を含む実務特化型の内容です。
目次
塩酸とは?

塩酸(英:Hydrochloric Acid)とは化学式HCIと表現され、塩素と水素で構成されている化学物質です。
無色で強い酸性を持っています。
水と反応して水素イオンなどにイオン化します。
濃度によって酸性が強くなったり弱くなったりします。
塩酸は加熱すると塩酸ガスを排出します。
使用用途は?

上記の通り、強い酸性を持っている塩酸は様々な産業分野と研究活動に使用されています。
使用用途については簡単に説明いたします。
- 産業用清掃:金属表面のサビ除去及び金属部品の清掃を行います。
- 化学触媒:他の化学反応で使用されて触媒措定活用されます。
- 化学物質製造:目的によって塩酸から塩化ナトリウムなどを生産します。
- 医薬品製造:医療薬品から使用される場合が多いです。
- 化学試験:化会社の実験室で沢山使用されるため使用する。
上記の通り、多くの用途に使用されています。
塩酸は使用されている分野がかなり広いです。
次に、塩酸の危険性は何があるのでしょうか。
なぜ塩酸の廃棄は厳重な管理が必要なのか

塩酸の危険性は、大きく以下の4つあります。
・強酸性(pH1以下)であり、皮膚や呼吸器に強い刺激を与える
・揮発性が高いため、密閉していても塩化水素ガスが漏れる可能性
・排水基準や水質汚濁防止法により、無処理での排水は禁止
・法令違反は罰則・企業名の公表など重大なリスクとなる
よって、取り扱いには気を付けて管理する必要があります。
使用目的によって、危険性が全く違うため予想可能な危険を把握し、準備が必要です。
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塩酸の処理方法は?
最後に、処理方法について確認しましょう。
まず、強酸にするため、pHを調節して中和する必要があります。
よって、廃酸を石灰乳またはソーダ灰などの溶液に加え中和させます。
中和ができた後は、多量の水で希釈します。
水で希釈する時は必ず塩酸ガスを注意していきましょう。
処理委託する場合の注意点
- 特別管理産業廃棄物の許可を持った業者を選ぶ
- 事前に「塩酸 SDS(安全データシート)」の提出が必要
- 処理費用の目安:80~150円/kg(濃度・混合物による)
- リサイクル可能な場合、コスト削減になるケースもあり
コストを抑えるポイント
- 原液のまま廃棄せず、他の酸性廃液とまとめて処理委託
- 中和後の再資源化ルートの活用
- 排出量の見える化と計画的な廃棄スケジュール管理
まとめ
塩酸の廃棄は、「性状の正確な把握」「適切な保管」「法令遵守」「安全な処理」が重要です。
特に製造業や研究機関では、処理方法によって大きくコストやリスクが変化します。
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