工業系、建築系など様々な事業所から排出される金属や鉄の廃棄物。
このような金属スクラップ(金属くず)は有価物として買い取りを行う業者も多く、リサイクル率が高い産業廃棄物です。
この場合、マニフェストはどうすればいいのでしょうか?
こちらのコラムでは、金属スクラップの廃棄物処理にマニフェストは必要なのか、について解説いたします。
目次
金属スクラップとは?
金属、鉄などのスクラップを含む「金属くず」とは、廃棄物処理法で分類されている20種類の産業廃棄物のうちの一つです。
法律で排出する業種が決められていないので、様々な業種から排出されます。
他にも「非鉄金属」と呼ばれる、アルミ、ステンレス、銅、真鍮、レアメタルなどがありますが、判別が難しい鉄や非鉄の中で、金属として扱われるものは全て金属くずになります。
複合素材の場合でも構成する素材で金属が最大値を占めていれば、金属くずです。
マニフェストは義務?
マニフェストとは「産業廃棄物管理表」のことで、排出業者から受託業者に交付するものです。
産業廃棄物の収集運搬や処分を委託するにあたり排出業者がその流れを把握するために必要で、産業廃棄物の種類・事業所ごとに作成する必要があります。
現在マニフェストは義務化されていますが理由は2つあります。
・廃棄物の排出事業者の責任を明確にする
・不法投棄を防止する
産業廃棄物が適切に処理されなかったり不法投棄されると、排出事業者、処理業者ともに厳しい罰則が課されるため、マニフェスト発行でトラブルを防ぐことができます。
詳しくはこちらもご参考に御覧ください。
産業廃棄物処理に必要なマニフェストとは?内容や運用する上での注意点を解説|法改正(法に関するコラム)|丸商の産廃コラム|廃棄物処理・環境コンサルティングの株式会社丸商
マニフェストが必要な場合と不要は場合の基準は?
産業廃棄物は、事業活動で排出された10種類の廃棄物の中で「物」としての価値がなくなったものを指し、これらの処理にはマニフェストが必要です。
これがいわゆる産廃処理ですね。
一方、「物」としての価値が残っているものは有価物とされ、産業廃棄物法適用外となりマニフェストは不要です。
簡単に訳すると収集運搬・処分費を支払う必要がなく、物の売却として業者からお金を支払われるケースです。
金属くずは、有価物として買い取りされたり、リサイクルされることが多い廃棄物です。
しかし、廃棄物を途中で積み替える場合、収集運搬時は産業廃棄物として扱い、買取業者に到着後有価物として扱うなどもあります。
この場合、収集運搬中は産業廃棄物扱いになるため、マニフェストが必要です。
一口に「金属くず」といっても、マニフェストの要不要は判断が難しいですね。
金属くずの買取に関しては、自治体によっても許可制度が異なる場合がありますので、ぜひご相談ください。