汚泥とは、下水処理などで排出される泥状の廃棄物をいいます。
日本の産業廃棄物の中で、約4割を占めており、最も排出量の多い廃棄物となっています。
本記事では、汚泥の適切な処理方法やリサイクルについて解説していきます。
この記事を参考し、自社の処理について見直してみるのもいいですね。
目次
代表的な処理とは?
汚泥にも種類がさまざまです。
状態によっても異なりますが、主に「焼却」「脱水」「乾燥」といった方法で減量化されます。
その後、最終処分されますが、再利用が可能な状態なものはリサイクルが可能です。
例えば「発酵」による堆肥化により、農業で使用される土壌改良剤として資源化されることもあります。
再利用ができないものについては、埋立て処分場にて最終処分されます。
以下に代表的な処分方法を8つご紹介します。
セメント原料化
セメントには主原料として、粘土が含まれます。
その粘土と汚泥の成分が相似していることから粘土の代替原料として活用されています。
焼却
減量化する処理として有力ですが、ばいじんや燃えがらといった廃棄物が発生することがあるので注意が必要です。
また、熱を他のエネルギーとしてうまく利用している企業もあります。
溶融
熱により減容化・無害化する方法です。
溶融処理で発生する溶融スラグは、建設資材などに活用されます。
造粒固化
固化することで骨材として再利用する方法です。
埋立て
再利用が出来ない、減量が限界に達した場合に埋立て処分を行います。
油分分離
遠心分離などの方法で水分と油分に分離させて処理する方法です。
油は再生油として利用されます。
堆肥化
有機汚泥を発酵させ、堆肥として有効利用する方法です。
メタン発酵
嫌気的に微生物に分解させ、バイオガスを発生させる方法です。
発生したバイオガスは発電に利用され、エネルギーを生み出します。
また、メタン発酵後の残渣は、肥料や燃料に活用することができます。
汚泥のリサイクル方法について
汚泥は、「有機汚泥」と「無機汚泥」に分けることができます。
有機汚泥のリサイクル方法
有機汚泥とは、有機物で汚染された排水を処理する際に発生する汚泥です。
代表的なものが下水汚泥です。
有機汚泥のリサイクル方法について2つご紹介します。
【下水汚泥】
下水汚泥のほとんどは水分が占めており、固形部分は有機物を分解した微生物菌です。
水分をうまく取り除くことができれば、バイオマス資源として利用できる可能性があります。
【紙・パルプ業由来の汚泥:製紙スラッジなど】
紙・パルプ業由来の汚泥は脱水された後に、焼却されています。
発生する焼却灰は、路盤材やセメント原料などに再利用されます。
無機汚泥のリサイクル方法
無機汚泥とは、無機質で汚染された排水から発生する汚泥です。
代表的なものが建設汚泥です。無機汚泥のリサイクル方法について2つご紹介します。
【建設汚泥】
建設汚泥とは、建設工事で掘削した際に生じる汚水のことです。
脱水・乾燥させた後に盛土材料などに再利用されることもあります。
【メッキ汚泥】
これまでは埋立て処分されることが多かったです。
ところが最近では、メッキ汚泥に含まれる金属を回収する設備開発や研究が進んできています。
まとめ
本記事では最も排出量の多い「汚泥」の処理やリサイクル方法について解説していきました。
中には再利用として資源化できる汚泥もあります。
排出事業者様はこの記事を参考に汚泥についてしっかりと理解を深めていきましょう。
汚泥の処理やリサイクルにお困りの際は、当社にぜひご相談ください。
汚泥のみでなく、全ての廃棄物に全国対応しております。
コストダウンや一元管理、リサイクルなどさまざまなニーズに対して、改善のご提案をいたします。
現状の処理方法が最適だと判断した際には、当社からのご提案を差し控える場合もございます。
ご相談、お見積りは無料ですので、廃棄物のお困りごとは是非一度お問合せください。