空気中にある水分を吸収する役割の乾燥剤は様々ありますが、その中でも石灰乾燥剤の処理には注意が必要です。
一般家庭でも多く見かけますが、事業所から排出された石灰乾燥剤はどのように廃棄処理すればよいのでしょうか?
こちらのコラムでは、石灰乾燥剤の産廃処理について解説いたします。
目次
石灰乾燥剤とは?
石灰乾燥剤は、酸化カルシウム(生石灰)を主成分とした乾燥剤です。
粉末状の乾燥剤で、吸湿性に優れている特徴があります。
乾物やお菓子などの食品の鮮度維持、工場内での保管時の湿度管理などに使用されています。
周りの湿度環境が低くても効果を発揮し、安価なので幅広く使用されています。
水分を吸収すると、消石灰に変質して体積が増加し膨張します。
注意点としては、水に濡れると発熱するので、火傷などに注意が必要です。
廃棄処理の方法
事業活動に伴って排出された石灰乾燥剤は、産業廃棄物ですので、許可を得た収集運搬・処理業者に処理を委託します。
石灰乾燥剤は、廃棄物分類では『汚泥』に区分されます。
水に濡れると発熱して発火につながる恐れがあるので、回収されるまでの間は、水分を含む物と混合しないように管理する必要があります。
加工工場や製造現場などで、大量の石灰乾燥剤が排出された場合などは取り扱いに注意しましょう。
万が一水に濡れてしまった場合は、可燃物から離した場所で熱が冷めるまで放置してください。
リサイクルはできるの?
乾燥剤の中には、シリカゲルなどリサイクル可能な物もありますが、石灰乾燥剤は一度水分を吸数すると消石灰に変質するので、乾燥剤として再利用することはできません。
しかし、使用済みの石灰乾燥剤は、乾燥剤としてではなく土壌改良剤として活用することは可能です。
消石灰に変化した石灰乾燥剤を土に混ぜると、土壌のph値が酸性からアルカリ性に変化します。
そのため、酸性になっている土を中和する働きによってカルシウム補給になり肥料として使用することができます。
このように、廃棄処理するだけでなく使用用途を変えたリサイクルも可能です。
産業廃棄物の中には、リサイクル可能なものとそうでないものがあります。
形を変えた再利用可能なものも多くありますので、大量の廃棄物が出た場合、ただ廃棄処分するだけでなく何かに再利用できないかとお考えの際は、ぜひご相談ください。
リサイクルの方法や業者選定など、トータルでご提案いたします。