古紙は再生紙としてリサイクルされるものも多いですが、再利用できないものや、製紙工場から製造の段階で排出される廃棄物はどのように処理されるのでしょうか?
こちらのコラムでは、製紙スラッジの廃棄物処理方法について解説いたします。
目次
製紙スラッジとは?
製紙スラッジは、ペーパースラッジ(PS)とも言われています。
工場で紙を製造する際に発生する排水を処理する過程で発生する産業廃棄物です。
雑誌や新聞紙などの古紙は回収された後、リサイクルされて新たな紙製品に生まれ変わることが可能で、多くはトイレットペーパーやコピー紙などとして再生紙が使用されています。
しかし、古紙はそのすべてが再利用されるわけではなく、再生紙を製造する過程でも廃棄物が発生します。
それらの産業廃棄物が製紙スラッジです。
廃棄物の処理方法は?
製紙スラッジは、排水の過程で発生するので水分を含んでおり、産業廃棄物の分類では汚泥となります。
現状、製紙汚泥はそのほとんどが焼却処理されています。
焼却処理は、地球温暖化対策や最終処分場の逼迫、廃棄物削減などの問題があるので、有効利用するために取り組むべき課題です。
しかし、産業廃棄物として処分するだけでなく製紙スラッジ自体も再利用することが可能なので、リサイクルが注目されつつあり、その技術も年々進んでいます。
リサイクルの方法
製紙スラッジは、焼却の際の熱エネルギーを回収して再利用する方法があります。
それだけでなくリサイクルとして注目されているのが、製紙スラッジを灰の状態にして再利用する方法です。
含水率が高い製紙スラッジを高温で完全燃焼すると、焼成されて含水率が0.1%未満の白色灰になります。
製紙スラッジ灰(ペーパースラッジ灰)と呼ばれるこの焼却灰はリサイクルされて様々な製品に利用されています。
製紙スラッジ灰は表面に微細な孔がたくさんある多孔質になっています。
そのため、保水性、脱水性、通気性などに優れているので、建材資材、農業用材、セメント資材、土壌改良材、脱臭剤、吸着剤など多岐にわたって再利用が可能です。
紙パルプ産業でも、製造の段階だけでなく、リサイクルのための工程でも発生する廃棄物をも再利用できる技術が進んでいます。
産業廃棄物として処理してしまうだけでなく、リサイクルに向けた取り組みのご提案をいたしますので、ぜひご相談ください。