産業廃棄物を処理する際のキーワードとして「ベンゼン」と呼ばれる物質が存在します。
この名称だけ聞いても、どんな廃棄物なのかピンとこないかもしれません。
ベンゼンとはどんな産業廃棄物のことをいうのでしょうか?
そんなベンゼンとはどういう廃棄物なのか、注意することはあるのかについて解説していきます。
目次
ベンゼンとは?
ベンゼンとは、無色透明で芳香臭のある液体です。
主に合成ゴムや合成洗剤、染料などの合成原料に使用されています。
身近な物では、ガソリンにもごく少量ながら含まれています。
産業廃棄物の具体的な例として、ベンゼンが含まれる廃油や汚染土壌の汚泥があります。
さらに産業廃棄物の中でも特別管理産業廃棄物の基準値に入っています。
これは主に汚泥等の溶出試験や廃酸、廃アルカリの含有試験で有害物質の基準が設けられています。
また、ベンゼンは土壌汚染対策法の特定有害物質でも指定されています。
どのような危険があるのか?
ベンゼンは高い引火性と毒性があり、発がん性も確認されています。
国際がん研究機関(IARC)は、ベンゼンをグループ1の「人に対して発がん性がある」に分類しています。
刺激性があるため、皮膚に触れたり、眼に入ってしまうと障害が起こる恐れがあります。
吸入してしまった場合、呼吸器に障害を引き起こすことがあります。
さらに、大量に吸引し続けた場合は生命の危機に陥る可能性もあり、非常に危険です。
もし触れてしまったり、吸い込んでしまった場合は?
すぐに水で洗い流す・空気の綺麗なところで休憩して医師の診断を受けることです。
処理方法と注意点
主に焼却や中和、乾燥・脱水、埋立て処分があります。
事前に処理業者へ性状や廃棄量、分析データなど詳しい情報を伝えておきましょう。
その情報量によって、適切に処理できるかどうかポイントになります。
情報量が少ないほど、受入れを断られたり、不適切処理に繋がる原因にもなります。
また、廃棄物に応じて汚泥や廃油等の品目で特別管理産業廃棄物の許可証を取得しているか確認します。
これは後に、「実は無許可で処理してしまった」とならないように注意することです。
まとめ
ベンゼンは無色透明な液体で、廃油や汚染土壌の汚泥などの産業廃棄物です。
特別管理産業廃棄物にも含まれており、基準値を超えるとこれに該当します。
毒性・引火性といった危険な性質があり、また人体にも悪影響があります。
もし、触れてしまったりした場合は、すぐに適切な処置することが必要です。
処理方法は、焼却や中和・脱水、埋立て処分などがあります。
その廃棄物の性状に応じて適切な処分業者へ委託しましょう。
丸商では、有害な廃棄物に対してもご提案することが可能です。ベンゼンについても処理実績がございます。
気になる廃棄物がありましたら、お気軽にお問い合わせください。