私たちが普段口にしている食品の中にも含まれていて、知らず知らずのうちに摂取しているカドミウムは、工業用としても様々な物に使用されています。
産業廃棄物としてはどのような規制があり、どのように廃棄するのでしょうか?
こちらのコラムでは、カドミウムの廃棄処理方法について解説いたします。
目次
カドミウムとは?
カドミウムは、原子番号48の金属元素で元素記号はcdという重金属の一種です。
有害物質として知られており、人体に影響を及ぼします。
主な用途としては、顔料、メッキ、電池、合金、テレビのブラウン管、塩化ビニル樹脂安定剤、化学試験の材料などに使用されています。
カドミウムを使った電池は大出力放電や過重放電に強く、小型で軽量なため需要が高かったのですが、人体や環境への影響からニッケル水素電池やリチウムイオン電池に代替されつつあります。
人体への有害性はあるの?
カドミウムは、水や土壌などの環境内に存在し、そこから米や野菜などの農作物に含まれていきます。
また、海底質にも存在し、タコやイカ、甲殻類などにも含まれています。
内閣府食品安全委員会で設定されている耐用習慣摂取量の基準を超えて過剰摂取しなければ日常の食事では健康に影響はないとされています。
現在は厳しい法規制によって管理されていますが、過去に鉱山から排出されたカドミウムで汚染された地域で「イタイイタイ病」という公害病が発生し健康被害をもたらしました。
産業廃棄物としての取り扱いは?
カドミウムに係る法規制は非常に厳しく設定されています。
水質汚濁防止法、有害物質使用制限令、食品衛生法など様々な法令で、規制対象物質や基準値が細かく決められています。
産業廃棄物としての法令も取り扱いが変更、強化され平成28年から施行されています。
この改正によって「カドミウム又はその化合物を含む廃棄物」は、これまで産業廃棄物だったものが「特別管理産業廃棄物」に該当するようになりました。
特別管理産業廃棄物は、その管理責任者を置く必要があり、処理についても許可を受けた業者に委託しなければなりません。
また、管理型最終処分場で埋立処分できる廃棄物に含まれるカドミウムの基準値も厳しくなっており、基準値を超える場合は遮断型最終埋立処分場に埋め立てることになります。
産業廃棄物なのか特別管理産業廃棄物なのか、その基準なども規制が厳しくなっており判断が難しい有害物質の廃棄物は、ぜひ専門の処理業者にご相談ください。