床に塗られたワックスなどを剥がす際に使用する剥離剤は、使用後の剥離廃液をそのまま排出すると環境破壊につながります。
正しく処理するにはどうすれば良いのでしょうか?
こちらのコラムでは、剥離廃液の処理方法について解説いたします。
目次
剥離廃液とは?
剥離剤は、床のワックスを剥離したり、金属やガラス、プラスチック塗装や塗膜などを剥がすためなどに用いられています。
種類は、水系、アルコール系、塩素系といった溶剤、また無機酸、有機酸、アルカリ成分等を含んだ液性のものなどがあります。
一般的に、ビルメンテナンスにおける清掃やリフォームなどで床のワックスを剥離する際に生じる剥離廃液は、ph9.8とアルカリ性の液体で、剥離された合成樹脂や汚れなどが混合されています。
剥離廃液はそのまま下水道に排水すると、土壌や水質汚染の原因になりますので、産業廃棄物となります。
処理の方法は?
剥離廃液は一般的に、固形化させて産業廃棄物として専門の処理業者に委託し、専門の処理業者が、中和処理、焼却処理を行います。
排出先は、ビルや建物のオーナー、またはビルメンテナンス、清掃業者で、許可を得た収集運搬業者、処理業者に委託してマニフェストの交付を行います。
どんな種類の剥離剤を使用しているか、剥離廃液に含まれる塗膜カス、排水などの種類と量によって処理方法は異なります。
水質汚濁防止法や土壌汚染対策法に該当したり、特別管理産業廃棄物に該当するものもあるので注意が必要です。
自社で処理できるの?
剥離廃液は大量に発生すると産業廃棄物として処理するのに費用が高くなります。
処理費用を抑えるために、ビルメンテナンス会社や清掃会社が自社で処理することはできるのでしょうか。
廃液をそのまま下水道に排水することはできませんので、中和する必要があります。
しかし、水だけでアルカリを中和するには、phを1下げるのに廃液量の約10倍、phを2下げるには廃液量の約100倍の水量が必要で、あまり現実的ではありません。
剥離廃液を処理剤を使用して処理するか、除外施設や処理浄化槽などを設置して処理することも可能ですが、施設の処理能力や剥離剤に含まれる物質の含有量など、難易度が高い場合もあります。
排出事業者側は、産業廃棄物の処理費用を抑えたいものです。
手間をかけず適正に、なおかつ費用を抑えるなど、処理の方法をご提案いたしますので、ぜひご相談ください。
※当社は法人様のみのご対応となります。