付着した汚れや余分な塗装を剥がす時に使われる剥離剤は、様々な業界で使用されていますが、廃棄物をそのまま排出すると環境汚染につながります。
適切に処理するにはどのようにすればよいのでしょうか?
こちらのコラムでは、剥離剤の産業廃棄物処理について解説いたします。
目次
剥離剤の役割とは?
剥離剤は不要になったり古くなった塗料や樹脂に剥離剤を塗り浸透させ、素地と塗膜の付着力を破壊して剥離することに使用されます。
様々な種類があり、液に漬ける・スプレーする・刷毛で塗るなど使い方も異なり、塗膜の種類や素地、作業環境や設備によって使い分けています。
鉄道、建築、自動車、航空機、船舶など様々な産業分野でリフォーム、リユース、メンテナンスや修理などに使用されています。
成分や危険性は?
剥離剤の主成分はジクロロメタンを使用したものが主流でしたが、自然環境や人体への影響もあり使用を抑制する傾向にあります。
他にも、ベンジンやアルコールなどの有機溶剤が含まれており、吸い込んでしまうと意識不明や視覚障害などを引き起こす事例が確認されています。
酸素欠乏や有機溶剤中毒を起こさないためにも換気設備のない密閉された空間では使用しない、また可燃性の有機溶剤なので火気厳禁などの注意が必要です。
現在はジクロロメタンを含まない環境に配慮した製品も開発されています。
廃棄物の処理方法は?
一般的な剥離剤はph9.8のアルカリ性なので、廃液は中和処理します。
水だけでph値を下げるには莫大な時間と水量が必要になりますので、専門の処理業者が中和処理または焼却処理します。
廃棄物としての剥離剤は「特別管理産業廃棄物」になり、廃液・塗膜カス・排水などの種類と量によって処理方法は異なります。
塗膜カス自体は「鉱さい」「廃プラスチック類」「金属くず」などに分類されますが、いずれも剥離剤の有機溶剤を含むことになるので特別管理産業廃棄物として扱います。
洗浄水も下水道法、水質汚濁防止法などの法規制に該当しますので、そのまま下水に排出すると地下水や土壌の汚染つながります。
特別有機溶剤に指定されている有害物質を含む産業廃棄物は、環境破壊や健康被害につながります。
許可を持っている専門の処理業者にご相談ください。
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