事業所から排出される産業廃棄物には様々な性状のものがあります。
その中で「廃液」に分類されるものはどのような処理をすればよいのでしょうか? また、リサイクルは可能なのでしょうか?
こちらのコラムでは、廃液の処理とリサイクル方法について解説いたします。
目次
廃液の種類
廃液とは、事業活動によって生じた産業廃棄物の中で、不要になり捨てられる汚れた液体のことで、燃料、化学薬品、機械油、廃棄飲料など様々です。
廃棄物分類としては「廃酸」「廃アルカリ」「廃油」があります。
工場や清掃現場、建築建設現場などから排出されるものは、人体や環境に有害な物質が含まれているものもあるので、品目によって適切な処理が必要です。
液体はその性質上、他の物と混ざったり蒸発しやすいので、処理の段階だけでなく廃棄物回収までの間も、規則に従って厳重に保管する必要があります。
産業廃棄物の処理方法は?
廃液処理には、廃棄物処理法、水質汚濁防止法、下水道法など、法律で定められた規制があります。
主な処理方法は、「焼却処分」「油水分離」「中和・凝集」「脱水処理」「活性汚泥処理」などがあります。
ひと口に「廃液」と言ってもその種類によって処理方法が異なりますので、委託業者を選定する際には、廃液のどの品目で許可を取っているかを確認しましょう。
そのためには、廃液の成分が何なのか、発生した工程や混合物などを把握しておくことが必要です。
異なった種類の廃液を混ぜてしまうと、化学反応が起きたり、含まれている物質が不明になると処理が困難になり、コストも高くなる可能性があるので注意が必要です。
リサイクル方法は?
回収された廃液は、成分分析、中間処理が行われリサイクルされます。
廃酸や廃アルカリの中和、有害物質の無害化処理を経て、最終処分またはリサイクル可能かに選別されます。
中間処理で排出された中性汚泥は、セメント原料などに再利用されます。
選別後、混合調整された廃液の主なリサイクルとしては、塗料、飼料、バイオディーゼル燃料、各種代替燃料、再生燃料油、補助燃料油などの新たな製品として再利用されています。
有害な物質を含んでいる廃液も、正しく分析・中間処理をすることでリサイクルが可能です。
焼却処理、埋め立て処理などの最終処分を減らし、リサイクル率を高めていくために適切な保管と処理が必要です。
保管方法から業者選定までトータルにご提案いたしますので、ぜひご相談ください。