工場や製造現場などで使用される溶剤には、有害なものからそうでないものまで様々な種類があります。
不要となった廃溶剤はどのように処理、またどのようにリサイクルされるのでしょうか?
こちらのコラムでは、廃溶剤のリサイクル方法について解説いたします。
目次
廃溶剤とは?
廃溶剤とは、様々な事業活動の過程において使用され不要となった溶剤です。
何かしらの物質を溶かすのに用いられる液体のことで、有機溶剤、無機溶剤、水系溶剤などの種類があります。
産業廃棄物として一般的なのは有機溶剤で、有機物(有機化合物)を溶かすものです。
有機物とは、炭素、酸素、水素を中心とした化合物で、それ以外は無機物(無機化合物)です。
広義では水も物質を溶かすので溶剤に含まれますが、水には炭素が含まれていないので、無機物となります。
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産業廃棄物処理の方法は?
産業廃棄物の廃溶剤は主に有機溶剤が多いですが、その種類も、炭化水素・アルコール・ケトン・エステル・エーテルなど様々です。
有機溶剤は有害な物質を含んでいるものが多いので、特別管理産業廃棄物に指定され、さらに引火性廃油、有害特定産業廃棄物などに区分されるものもあります。
廃溶剤とひと口に言ってもその種類は様々なので、含まれている物質によって処理の方法も、リサイクル可能かどうかも異なります。
リサイクルできないものは、焼却処理を行い埋め立て処分されます。
リサイクル方法は?
現在、多くの廃溶剤は焼却処分されていますが、環境保全のためにリサイクル技術も進歩しています。
回収された廃溶剤は、蒸留工程で不純物を除去し、再生成することで新たな製品に生まれ変わる、マテリアルリサイクルも行われています。
シンナー、アルコール類、トルエン・キシレンなどの炭化水素類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類など多くのものがマテリアルサイクルされています。
また、蒸留後の不要物を焼却する工程で熱回収して再利用する、サーマルリサイクルも行われていす。
こうして、廃溶剤は新たな製品となるかエネルギーとして再利用することが可能です。
溶剤には多くの種類があり、中でも有機溶剤は500種類以上あると言われています。
含まれている物質によっては、取り扱いを間違えると大変危険です。
種類がわからない、保管や処理の仕方に不安がある場合など、まずはご相談ください。