工業製品や自動車、身近なオフィスやスポーツ用品などにも多く使用されているゴム。
ひと口にゴムといっても様々な種類がありますが、その中でもEPDMはどのように処理するのでしょうか。
一般的にゴムのリサイクルは難しいと言われていますが、どんなリサイクル方法があるのでしょうか?
こちらのコラムでは、EPDMのリサイクルについて解説いたします。
目次
EPDMとはどんな廃棄物?
EPDMとは、エチレンプロピレンジエンゴムのことです。
プラスチックとしての性質を持つポリエチレンとプロピレンを共重合させることで、ゴムとしての性質を示すようになったものをEPM(エチレンプロピレンゴム)と言います。
さらに第3成分としてジエンを共重合させた三元共重合体がEPDMです。
ゴムには、天然ゴムと合成ゴムがあります。EPDMは合成ゴムで、産業廃棄物としては、廃プラスチックとして分類されます。
EPDMの特徴
EPDMの長所として挙げられるのが、耐熱性、耐老化性、耐オゾン性、耐候性に優れていることです。
耐薬品性も高いので、アルコール、エステル、硫酸、アルカリなどにも優れた耐性を発揮します。
そのため、電線、窓枠、自動車用品、防振ゴムなど屋外での使用に適しています。
一方で、鉱物油や有機溶剤との親和性が高いので、耐油性は他のゴムに比べて劣ってしまいます。
また最高使用温度が70℃態度までと比較的低いので可燃性のゴムであり、耐炎性はありません。
リサイクルは可能なのか
ゴムの廃棄物全体としてのリサイクル率はまだ低いようですが、技術は進歩しています。
焼却処分するのではなく、焼却時に発生する熱エネルギーを発電などの燃料として使用する方法があります。
また、EPDM廃材を粉砕し、熱をかけて練り再生ゴム製品として生まれ変わることができます。
特に最近注目されているのが、廃タイヤを高温で焼き蒸し、オイル、カーボンブラック、スチールに分解する方法です。
今後ますますリサイクルが進むことが世界中で注目されており、再生ゴムがサステナブル材料となっていくことがさらに期待されます。
年々減少してはいますが、ゴム廃棄物の不法投棄は深刻な問題です。
様々なリサイクル方法がありますので、環境保全のためにもぜひご相談ください。