産業廃棄物の処理には、マニフェストの交付が必要です。
正しく交付されず、不備や違反があると罰金や罰則の対象になります。
もちろん不正をするつもりはなくても、知らなかったでは済まされないので注意が必要です。
こちらのコラムでは、マニフェストに関する違反行為について解説いたします。
目次
マニフェストとは?
マニフェスト(産業廃棄物管理表)は、産業廃棄物を適切に処理するために制定されたもので、排出事業者が交付し、5年間保管します。
産業廃棄物の動き、処理の流れ、廃棄物の量や種類などの記載項目があり、違反した場合や過失でも、刑事処分の対象になります。
紙マニフェストは複写式の7枚綴りで、産業廃棄物の種類ごと、委託する業者ごとに交付し、排出事業者・収集運搬業者・中間処理業・処分業者などがそれぞれ管理します。
紙マニフェストは決められた期限内に報告の義務がありますが、電子マニフェストは報告の義務はありません。
交付時の注意点
故意ではなくてもマニフェストの交付時に不備があったり、そもそも交付されていないと、適切に処理されていたとしても排出事業者の責任となり罰則が課せられます。
違反行為にならないよう気をつけたい点はいくつかあります。
・虚偽記載/実際の廃棄物と記載内容に相違がないように記入します。
・保存義務違反/排出事業者に返送されたマニフェストは5年間保管します。時間が経ってから問題が起きる場合もあります。
・廃棄、紛失/マニフェストは再発行が認められていません。万一紛失してしまった場合は、業者保管のマニフェストをコピーして代用します。
法令違反にならないために
マニフェストは排出事業者が交付するものなので、排出事業者側で不備のないように充分注意しなければなりません。
社内で保存方法などのルールを決めておき、紛失したり探すのに手間取ることのないようにしましょう。
また、マニフェストの記入漏れを防ぐために専門業者のサービスを利用するなども有効です。
また、電子マニフェストの導入も効率的です。作業ミスの防止、紛失の心配がない、情報がすぐに引き出せる、報告義務がないなどのメリットがあります。
マニフェストは不法投棄や不適切な処理を防止するために必要なもので、交付は義務です。
産業廃棄物の処理は排出事業者に責任がありますし、実際に刑事罰を受けた事例もあります。
記入の仕方や交付について不安があるなど、お困りの際はお気軽にご相談ください。