産業廃棄物は、排出事業者から処理業者に委託して処理を行います。
しかし、委託された処理業者から別の業者に再委託することは、原則認められていません。
なぜ再委託が禁止されているのでしょうか?
こちらのコラムでは、産業廃棄物の再委託について解説いたします。
目次
産業廃棄物の再委託とは?
産業廃棄物の再委託とは、排出事業者から処理を委託された業者が、別の処理業者に委託することで、再委託は原則禁止されています。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律では『産業廃棄物収集運搬業者は、産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を、産業廃棄物処分業者は、産業廃棄物の処分を、それぞれ他人に委託してはならない。
ただし、事業者から委託を受けた産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を政令で定める基準に従って委託する場合その他環境省令で定める場合は、この限りでない。』と定められています。
再委託禁止の理由は?
再委託が禁止されている理由は、主に2つあります。
・廃棄物処理の許可制度の趣旨から外れるため
廃棄物処理法では、事業活動に伴い生じた廃棄物は自らの責任で適正に処理することを義務付けています。(廃棄物処理法第3条第1項)。
そのため、排出事業者は適切な処理が行える廃棄物処理許可業者を選ぶ必要があります。
・責任の所在が不明確になるため
委託先から別の業者に廃棄物が移動することで、不法投棄や無許可の業者による不適正処理が行われる可能性があります。
委託可能なケースはあるの?
再委託は原則禁止ですが、例外として再委託が認められる場合もあります。
・あらかじめ、排出事業者から委託を受けた者は排出事業者に対して、再委託を受ける者の氏名・名称、再委託が委託基準に適合していることを明らかにすること。
・あらかじめ排出事業者の書面での承諾があり、書面には、委託した産業廃棄物の種類及び数量、受託者の氏名・名称・住所・許可番号、承諾年月日、再受託者の氏名・名称・住所・許可番号が記されていること。
・受託者は再受託者に対し委託契約書記載事項を記載した文書を交付すること。
・その他、委託基準に適合していること(受託者・再受託者間の書面契約が必要)。
・排出事業者は、承諾書の写しを承諾日から5年間保存すること。
排出事業者の承諾なく再委託されてしまうこともあり、注意が必要です。
回収に来た収集運搬業が未承諾の再委託先だと分かった場合は、契約業者と再委託業者で再委託契約をしなければなりません。
不正が行われないよう、業者選定などもご提案いたしますので、ぜひご相談ください。
※当社は法人様のみのご対応となります。