ユリア樹脂という名前はあまり馴染みがないかもしれませんが、プラスチックの一つです。
プラスチックの廃棄については、世界規模での環境問題です。
正しく廃棄するためには、どのように処理すれば良いのでしょうか?
こちらのコラムでは、ユリア樹脂の廃棄物処理について解説いたします。
目次
ユリア樹脂とは?
ユリア樹脂とは、尿素樹脂とも呼ばれる、尿素とホルムアルデヒドの重合反応によって生成される熱硬化性樹脂です。
プラスチックや樹脂の多くは石油が原料ですが、ユリア樹脂は尿素が原料のため、熱硬化性プラスチックの中では安価です。
耐熱性が高く難燃性、硬度が高い、耐溶剤性、絶縁性に優れているという特徴があります。
着色しやすいので、医薬品や化粧品の容器・キャップなどに使用されます。
強酸、アルカリに浸食されやすく、熱水中でホルマリンが溶出したり、焼却すると有毒ガスが発生する恐れがあるので、従来ほどには用いられていない側面もあります。
廃棄処理の方法は?
ユリア樹脂は、廃棄物分類では「廃プラスチック」になります。
プラスチックは生産・使用量が多いので廃棄量も多く、その処理は大きな問題になっています。
廃プラスチックは、これまで輸出処理を行なっていましたが、中国が廃棄物の輸入規制を始め、その後アジア各国でも規制が敷かれるようになりました。
そこで、輸出ができなくなったことから国内での処理をする必要が出てきました。
輸出規制だけでなく、海洋プラスチック問題や最終処分場の逼迫など様々な問題があるので、焼却・埋立処分ではなく、リサイクルに取り組む必要があります。
リサイクルの方法は?
廃プラスチックのリサイクル方法は3つあります。
・マテリアルリサイクル/廃プラスチックを原料に、新たなプラスチック製品を作ります。
元々の製品と同じ製品を作るレベルマテリアルリサイクル。
同じ製品ではなく一段階下げた製品にするダウンマテリアルリサイクルがあります。
・ケミカルリサイクル/廃プラスチックを科学的に処理して、プラスチックの原料にします。
・サーマルリサイクル/廃プラスチックを焼却する際の熱エネルギーを回収して再利用します。
プラスチックのリサイクルは、排出業者側も積極的に取り組むべき課題です。
リサイクル方法の中でもマテリアルリサイクルを増やしていくためにも、廃棄の際は分別が大切です。
正しい分別方法、リサイクルへの取り組みをしている処理業者の選定などもご提案いたしますので、ぜひご相談ください。