ガソリンに代表される揮発油は、家庭でもベンジンとして使用されています。
工業用としても揮発性の石油製品は多く使用されていますが、どのような種類がありどのように廃棄するのでしょうか?
こちらのコラムでは、産業廃棄物における揮発油類について解説いたします。
目次
揮発油とは?
揮発油とは、ガソリンエンジン用燃料と、ベンジンと呼ばれる溶剤としての工業ガソリンの総称です。
沸点が摂氏30℃から200℃の範囲で、通常の温度で液体が気体になります。
工業用の揮発油には種類があります。
・CS揮発油/精密機械洗浄、しみ抜き、各種溶剤
・ホワイトガソリン/機械洗浄
・LAゴム揮発油/ゴム溶剤、塗料希釈溶剤
乾燥の促進、乾性油希釈、油絵具の粘性・濃度の調整などとしても使用されています。
取り扱いの注意点
揮発油類は、消防法で「危険物第4類引火性液体の第1石油類」に指定されています。
低い温度で気体化し引火性が高い危険物です。引火点が38.7℃未満の引火性液体ですから、日頃の取り扱いはもちろん、廃棄物として回収されるまでの保管にも充分な注意が必要です。
気化して蒸発すると、火器はもちろん電源コンセントや電気のスイッチなどからも引火の危険性があります。
また密閉空間で蒸気が多量に蓄積すると爆発の危険性もあります。
また人体への影響もあり、肺や腎臓への障害、めまい、呼吸器への刺激など。
長期間にわたるばく露では、神経系や血管系への影響もあります。
産業廃棄物としての揮発油類
産業廃棄物としての揮発油類は引火点70℃以下の燃えやすい引火性廃油です。
産業廃棄物分類としては「廃油」になり、廃油は「特別管理産業廃棄物」に指定されています。
廃棄物処理法では『特別管理産業廃棄物とは、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性、その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう』とされており、通常の産業廃棄物よりも厳しい規制があります。
処理方法としては焼却処理をしますが、リサイクル可能な廃油もあります。
引火性の高い危険物は、保管や取り扱いに充分注意が必要です。
廃棄までの期間も事故が起きないよう正しく管理しなければなりません。
適切な管理と処理方法をご提案いたしますので、まずはご相談ください。