廃棄物問題は、世界規模の課題となっています。
廃棄物を再生利用することは、限りある資源を有効活用するために必要で、リサイクルの取り組みは進んでいますが、その現状や実際の処理例にはどんなものがあるのでしょうか?
こちらのコラムでは、産業廃棄物のリサイクルの必要性ついて解説いたします。
目次
リサイクルの現状と必要性
日本の産業廃棄物の量は、約4億万トン近くあると言われています。
その中でリサイクルされているのは52%、中間処理での減量化が45%、最終処分が3%という割合です。
数字からはリサイクル率が高いように見えますが、産業廃棄物の排出量は横ばいの状態です。
リサイクルが必要な理由は、例えば、廃棄物を最終処分するための埋立地の逼迫です。
約20年後には最終処分場が寿命を迎えると言われており、その後どうするのかが問題になっています。他にも、資源には限りがあり枯渇を防止するためです。
また、海洋プラスチック問題などに代表される、地球環境への負荷や悪影響を減らすためです。
リサイクル方法の種類
産業廃棄物のリサイクル方法は3つあります。
・マテリアルリサイクル/廃棄物を原料として再生利用し、再資源化して新たな製品を作る、環境負荷の軽減に貢献できる方法です。
・ケミカルリサイクル/廃棄物に何かしらの化学処理を施し、新たな原料とします。
代表的なものに、ガス化・油化・高炉原料化などがあります。
・サーマルリサイクル/廃棄物を焼却する際のエネルギーを再利用します。
焼却エネルギーを利用して発電したり、回収した焼却熱を温水施設に供給します。
リサイクルの事例
産業廃棄物の分類によって、様々なリサイクルが行われています。
例えば、木くずは粉砕処理でチップにして発電の材料や、紙・建材として製品化されます。
金属くずは、鉄・アルミニウム・銅などの金属を取り出して再利用されています。
汚泥はセメント原料や補助燃料に。
動植物性残渣は堆肥化されて肥料になったり、焼却灰を路盤材の原料にします。
がれきは建設リサイクル法で再資源化が義務付けられており、再生砕石は道路の路盤に。
廃プラスチックは新たなプラスチック製品、固形燃料などに生まれ変わります。
環境負荷を減らすために必要なリサイクルは、排出事業者の企業価値を高めることにも繋がります。
リサイクル率を上げていくためには廃棄物の分別が大切です。
正しい分別からリサイクルに取り組んでいる業者の選定までトータルでご提案しますので、ぜひご相談ください。