産業廃棄物の処理を委託する際、「これは、うちでは処理が難しいので受けられません」と言われた経験はありませんか?
処理困難と判断されると、委託先は限定され、処理費も跳ね上がり、保管リスクも増大します。
では、何が「処理困難物」とされ、どのような対策が取れるのでしょうか。
こちらの記事では処理困難物について解説していきます。
目次
■ 処理困難物とは?
法律上の明確な定義はありませんが、主に処理業者側の
- 既存設備では安全かつ適正に処理できない廃棄物を指します。
どういった理由で処理が難しいと判断されるのでしょうか?
■ よくある判断理由(処理困難物になるポイント)
| 分類 | 処理困難になる主な理由 | 例 |
|---|---|---|
| 物理的性状 | 固すぎる/粘り気が強い/燃えない/大量の異物混入 | 硬化した樹脂塊、含水率が高い泥状物 |
| 化学的特性 | 中和困難、反応性が高い、有害物質の含有 | 強酸・強アルカリ、シアン・重金属含有など |
| 臭気・ガス | 酷い悪臭や有害ガス発生の恐れ | 有機溶剤含有物 |
| 安全面 | 火災・爆発のリスク | 引火性廃油、リチウム電池混入、粉体物 |
| 情報不足 | 成分不明、分析データなし | ラベルのない廃液 |
| 市場性の欠如 | リサイクル後の売り先がない | 雑品プラ、混合廃プラ |
■ 処理困難物と判断されやすい代表例
- 廃プラスチックの混合物(金属・紙・油分が混在)
- 高濃度の廃酸・廃アルカリ(中和後の二次廃棄物が多い)
- 粘性の高い廃油・スラッジ
- 分析データが無い実験廃液
- FRP、ゴム、断熱材 等
■ リスクが顕在化すると…
| リスク | 影響例 |
|---|---|
| コスト増 | 処理単価が数倍に。輸送費加算も |
| 保管リスク | 火災・液漏れなどで労災や行政指導 |
| 法令リスク | 不適正保管で廃掃法違反 → 罰則対象に |
| 業務停滞 | 置き場が埋まり生産へ影響 |
排出事業者が取るべき対策
① 発生源対策:「混ぜない・変えない・安定させる」
- 他材料との混合を避ける
- 製造条件変更時は事前に処理業者へ情報共有
- 濃度・性状をできるだけ一定に保つ
② 分析情報の整備
- pH・水分率・発熱性・成分分析など
- SDS提供・変更履歴の共有
③ 処理方法の選択肢を検討
- 中和 → 脱水 → 焼却 など、組み合わせを最適化
- 有価物化(燃料化・マテリアルリサイクル)可能性の検討
④ 早期の委託候補探索
- いつもの業者だけでは受けられないケースへの備え
- 複数社の処理ルート・料金の比較
廃棄物処理のリスクヘッジを常にしておくことがポイントです。
まとめ
🔹 処理困難物とは「技術・安全・市場性」の観点で受け入れ困難な廃棄物
🔹 発生源の工夫と情報提供で、“処理困難”は回避できる
🔹 コストも環境負荷も大きく変わるため、早期対応がポイント
当社では様々な処理困難物の処理実績がございます。
まずはお気軽にお問い合わせください。


