航空、自動車、バイク、スポーツ、医療、建築など様々な分野で幅広く使われているCFRP。
端技術分野にも積極的に採用されているCFRPですが、廃プラスチック問題に対する意識も年々高まっている中、リサイクルはできるのでしょうか?
こちらのコラムでは、CFRPのリサイクルについて解説いたします。
目次
CFRPとは?
CFRPとは、Carbon Fiber Reinforced Plasticsの略語で、炭素繊維で補強、強化されたプラスチックのことです。
2つ以上の素材を組み合わせた複合材の一種で、炭素繊維(カーボンファイバー)を強化材として加えたもののことを言います。
特徴は、軽い・強い・腐食しないこと。また、疲労強度に強く、耐薬品性にも優れ、通常の熱的環境では安定する特性もあります。
繊維と樹脂という異なる性質の組合せなので、金属では製作できない形状を実現できることから、金属に変わる材料としてますます用途が拡大しています。
プラスチック問題
CFRPは産業廃棄物として処理される場合、廃プラスチック類になります。
プラスチックは身近で様々な製品に使われており、多くの分野で廃棄物としても排出されています。
廃プラスチックは、海洋汚染や生態系への影響など環境問題に対する課題を抱えています。
同様にCFRPの処理についても課題があります。
分解が難しく燃えにくいことで、焼却処理には膨大なコストがかかってしまいます。
そのことから多くは埋め立て処理されることになり、環境負荷が懸念されています。
CFRPはリサイクル可能か?
今後も急速に需要が見込まれるCFRPですが、製造にも処分にもコストがかさみます。
この現状を解決するために、リサイクル技術開発は進んでいます。
様々な方法がありますが、多くは何らかの方法で炭素繊維を回収して再利用することです。
その方法は主に3つです。
熱分解/高温で加熱して、炭素繊維と樹脂を分離する
化学分解/薬品で分解して、炭素繊維と樹脂を分離する
機械分解/機械的に分解して、炭素繊維と樹脂を分離する
他にも、マイクロ波の活用や電解硫酸法などでも実証が進んでおり、ますます期待が高まります。
産業廃棄物による環境問題は世界規模の課題でもあり、法改正などによって今後も変化していきます。
常に新しい情報でご提案していきますので、ぜひご相談ください。