私たちの身の回りには、プラスチックを含む多くの合成樹脂製品があふれています。
その中でも、ABS樹脂はバランスが良く汎用性が高いので、様々な製品に使われています。
もちろんメリットもデメリットもありますが、廃棄物となった際はそのような処理が必要なのでしょうか?
こちらのコラムでは、ABS樹脂の産業廃棄物処理について解説いたします。
目次
ABS樹脂とは
ABS樹脂は合成樹脂の一種で、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂の総称です。
耐熱性、剛性、耐油性、ゴムのような耐衝撃性、光沢性、加工成形性、寸法安定性などの特徴があり、丈夫で光沢のある製品を作ることができます。
一方で耐候性は低く、太陽光によって色や光沢が劣化したり、耐薬品性もあまり高くないので有機溶剤に弱いという特徴もあります。
アメリカで生まれたabs樹脂ですが、機械的特徴のバランスが良く成形しやすいのでデザイン性にも美しい製品が作れることから、世界的に幅広く使用される材料の一つとなっています。
廃棄物の処理方法は?
産業廃棄物としてのABS樹脂は、「廃プラスチック類」に分類されます。
廃プラスチック類は、海洋ゴミなどとしても世界的に問題になっていて自然環境への汚染が懸念されているため、専門業者による適切な処分が必要です。
リサイクルできない物で廃棄物処理の場合は、焼却、破砕、減容ののちに最終処分場にて埋め立て処分されます。
液状のものは廃油として処理されることもあります。
こちらの記事も参考にご覧ください。
廃プラスチックとは?種類や処分方法を徹底解説|丸商の産廃コラム|廃棄物処理・環境コンサルティングの株式会社丸商
リサイクル方法は?
環境問題の側面から、ABS樹脂を含む廃プラスチックはリサイクルが求められる廃棄物です。
リサイクルの主な手法は3つあります。
- マテリアルリサイクル/不純物を粉砕後洗浄し、溶融・成形して再度製品に使用します。
- ケミカルリサイクル/化学処理で分解して再利用します。化学原料の状態にしてから、燃料・原料として再利用します。
- サーマルリサイクル/そのまま焼却してゴミ焼却発電にしたり、固形燃料に加工して焼却することでエネルギー源として活用します。
製品としての需要が高まれば廃棄物も増えていきます。
海洋プラスチック問題など、社会全体で廃プラスチック問題を解決していくためにも、専門の処理業者にぜひご相談ください。