携帯電話やモバイル機器などに使用されている『ヒ化ガリウム』は有害物です。
産業廃棄物としてのヒ化ガリウムはどのように処理すればよいのでしょうか?
こちらのコラムでは、ヒ化ガリウムの危険性と処理方法について解説いたします。
目次
ヒ化ガリウムとは?
ヒ化ガリウム(GaAs)とは、ガリウム(Ga)とヒ素(As)の化合物で、自然界にはない物質を人工的に作り実用化された半導体です。
化合物半導体なので、その性質を利用して半導体素子の材料として広く使用されています。
シリコン半導体に比べて電子移動度が高いので、消費電力が低く、動作が高速化できるという特徴があります。
携帯電話や各種モバイル機器など身近な商品から、発光ダイオード、半導体レーザーなどに多く使用されています。
危険性や毒性は?
ヒ化ガリウムは、ヒ素を含む化合物です。
ヒ素は強い毒性を持つ金属で、発がん性のリスクは最も危険なグループ1に属しています。
そのため、ヒ化ガリウムは発がん性が指摘されており、人体に影響を及ぼす危険性がある有害物質です。
体内に取り込まれると、血液系や免疫系の障害、生殖能や胎児への悪影響のおそれがあります。
度重なる暴露からは呼吸器、血液系、男性生殖器の障害を引き起こす可能性があります。
また、蒸気や粉の吸入で、目、肺、皮膚に刺激を与える可能性もあります。
廃棄処理の方法
ヒ化ガリウムはヒ素を含んでいる有害物です。
ヒ素は特定の産業廃棄物において、特別管理産業廃棄物となる可能性がある特定有害物質なので、産業廃棄物として法律に従って正しく処理しなければなりません。
家庭ごみと混ぜることはもちろん、一般産業廃棄物として処理することもできませんので「ヒ素含有物等の産業廃棄物の収集、運搬、処理」の資格を有する専門の処理業者に委託する必要があります。
粉塵などを吸い込む可能性があるので、製品を分解したり、化学処理、粉砕・破砕、焼却などをしてはいけません。
また、廃棄物が収集されるまでの間は、施錠して保管しておくなどの対応も必要です。
人体に悪影響を及ぼす危険性がある有害物質は、産業廃棄物として関連法規に従った適切な処理が必要です。
特別管理産業廃棄物は、収集運搬されるまでの保管の仕方も法律で決められています。
管理方法や業者選定などのアドバイスもいたしますので、ぜひご相談ください。