日々の生活に欠かせない照明器具として、ランプ類があります。
蛍光灯や水銀灯、LEDなど様々な種類がありますが、これらの廃棄物はどのように処理すればよいのでしょうか?
また、資源として再利用も可能なのでしょうか?
こちらのコラムでは、産業廃棄物としてのランプ類の処理とリサイクルについて解説いたします。
目次
ランプの種類
ランプの種類としては、「水銀を使用しているランプ」と「水銀を使用していないランプ」に分けられます。水銀を使用しているものは、蛍光ランプやサークル管などの一般家庭や店舗、オフィスなどで使用される照明器具。
工場や倉庫などで使われる水銀灯。
トンネルの照明で使用されているナトリウム灯。
液晶テレビやパソコンなどで使われる冷陰極蛍光灯などがあります。
水銀を使用していないものは、LED、白熱灯、ハロゲンランプなどです。
この違いによって、処理の方法や注意点、費用なども異なってきます。
処理するうえで注意すべき点は?
事業所から排出される水銀使用ランプは「水銀使用製品産業廃棄物」で、他の廃棄物と混合してはいけないと法令上定められています。
平成29年の法改正により、水銀使用製品産業廃棄物は破砕することなく運搬する、相当割合以上の水銀を含むものは水銀を回収してから処分する、とされました。
つまり、廃棄または運搬する際に割ってはいけない、ということです。
ですから、ダンボールや緩衝材で保護したうえで廃棄運搬することが必要です。
これらのことにより、運搬途中で破砕された水銀使用製品産業廃棄物は、処理費用が高くなってしまうので注意が必要です。
こちらも参考に御覧ください。
水銀が含まれた水銀廃棄物とは?|水銀|有害産業廃棄物|廃棄物処理・環境コンサルティングの株式会社丸商
再利用はできるの?
廃棄物となったランプ類は、ガラスくずと水銀に選別されます。
ガラスくずは粉砕後リサイクルされます。水銀使用製品ランプ類で重要なのは水銀です。
人体にも悪影響を及ぼす危険性がある水銀ですが、水銀もリサイクル可能です。
水銀付着物や水銀汚泥などは、選別後高温で加熱して気化され、廃棄物内の水銀を回収しレアアース燃料などになります。
また、焙焼工程で蒸気となった水銀はコンデンサーを通過して冷却され再び液体の水銀になります。
こうして様々なリサイクル品として生まれ変わることができます。
取り扱いに注意が必要な水銀を含む廃棄物は、水銀使用製品産業廃棄物の処分と収集運搬できる許可が必要ですので、ぜひご相談ください。