電子機器や自動車部品、家電や様々な工業製品には金属メッキ表面処理をされたものが多く、使用済みのメッキ廃液も大量に排出されます。
メッキ廃液やその洗浄廃液などの産業廃棄物はどのように処理すればよいのでしょうか?
こちらのコラムでは、メッキ廃液の廃棄物処理とリサイクルについて解説いたします。
目次
メッキ廃液の種類
メッキ液とは、メッキを付ける際に浸漬する金属を溶かした液体のことで、プラチナ・金・銀・銅・ロジウム・イリジウム・ニッケル・クロム・亜鉛など様々な種類があります。
またその種類によって、アルカリ性、酸性、中性などの違いがあります。
メッキ廃液は、不要となって捨てられる汚れた液体で有害なものが含まれている場合もありますから、産業廃棄物として正しく処理をする必要があります。
廃棄物の処理方法は?
メッキ廃液は、有害難処理廃棄物としての埋立処理、排水処理などの方法があります。
メッキ廃液はメッキ処理の工程によって有害な物質が含まれていることがあるので、排水に至るまでには厳しい法的規制があります。
そのため、メッキ液や有害物質の種類によって無害化処理を行い、適正に排水処理する技術が進んでいます。
例えば、亜鉛メッキの場合は硫酸や苛性ソーダ、次亜塩素酸ソーダ、重亜硫酸ソーダなどの薬品を投入して亜鉛の含有量を規定以下にし、放流するなどの処理が可能です。
リサイクル方法は?
メッキ廃液はリサイクルでの再利用が可能です。
例えば、無電解ニッケルメッキ廃液では、ニッケルとリン酸の2つの物質においてのリサイクルで再資源化可能です。
抽出されたニッケルは、電気ニッケル、ステンレスメタルなど工業材料として生まれ変わります。
リン酸は、肥料などに再利用されています。
メッキ廃液は金属が含まれていますので、有価物として買い取りも可能です。
もちろんその全てが有価物として扱われるわけではなく、含まれている金属分が対象となります。
含まれている金属の種類が何なのかと含有量を調査し、廃液から金属分を抽出する作業が必要です。
日本は、レアメタルをはじめ多くの金属資源を海外からの輸入に頼っています。
メッキ廃液に含まれる金属資源を効率的に回収して再利用するためにも、ぜひご相談ください。