病気の治療には様々な薬が使用されますが、中には毒薬や劇薬もあり、取り扱いには注意が必要ですね。
難治性の白血病の治療に使われるトリセノックスもその一つです。
私たちの健康を守ってくれる治療薬ですが、廃棄物となった場合にはどのように処理すれば良いのでしょうか?
こちらのコラムでは、トリセノックスの廃棄物処理について解説いたします。
目次
トリセノックスとは?
トリセノックスは、三酸化ヒ素を有効成分とする静脈内投与する注射剤で、再発又は難治性急性前骨髄球性白血病の治療薬です。
一般名は、三酸化二ヒ素。薬剤名は、三酸化二ヒ素注射液といいます。
医師などの処方箋により使用することが決められている毒薬・処方箋医薬品で、入院環境のもと、十分な知識と経験のある医師の管理下で使用するとされている治療薬です。
注意すべき副作用としては、電解質異常、白血球減少、血小板減少、肝機能異常、発疹、高血糖、他にも様々な副作用があると報告されています。
廃棄物としての有害性はあるの?
治療薬としてのトリセノックスが廃棄物となった場合に注意が必要なのは、有効成分である、三酸化二ヒ素(亜ヒ酸)です。
三酸化二ヒ素は、農薬や塗料、防腐剤、殺ソ剤などにも使用されており、人体に影響がある有害なヒ素の酸化物です。
土壌などの環境にも影響を及ぼしますので、廃棄処理には十分な注意が必要です。
こちらも参考にご覧ください。
産業廃棄物における砒素(ヒ素)とは?|砒素|有害産業廃棄物|廃棄物処理・環境コンサルティングの株式会社丸商
廃棄物の処理方法は?
トリセノックスを廃棄処分する際は、専門の処理業者に危険性・有害性を告知してマニフェストを交付して処理を依頼します。
トリセノックスが入っていた容器、残薬のあるバイアル、調整後の残液、使用期限が切れたものなどは特定有害産業廃棄物です。
また成分のヒ素は産業廃棄物では特定有害物質にも指定されています。
産業廃棄物の法分類では基準値が設けられており、基準値を超えた廃棄物は「特別管理産業廃棄物」となります。
特別管理産業廃棄物は、爆発性・毒性・感染性その他の人の健康や生活環境に係る被害を生ずる恐れのある性状を有する廃棄物のことで、厳しい規制と処理基準が設けられています。
特別管理産業廃棄物や特定有害産業廃棄物は、健康や生活環境、地球環境に害をもたらす危険なものが多く分類も複雑です。
安全に処理するために、ぜひご相談ください。