日常生活でも、化粧品や薬剤など多くの場面で使用されているスプレー缶。

家庭から出るごみは自治体のルールに従って廃棄しますが、事業所から排出されるスプレー缶はどのように廃棄処理すればよいのでしょうか？

こちらのコラムでは、産業廃棄物としてのスプレー缶の処理方法について解説いたします。

スプレー缶を廃棄する際の注意点

事業活動において、スプレー缶は様々な用途で使用されています。

塗装、化粧品、ガスボンベ、エアダスターなど、その内容物も様々です。

充填されているガスは、圧縮ガスと液化ガスがあり、液化ガスは常温では気体であるガスが、圧縮や冷却で液体になったものです。

日本では主に液化石油ガスが多く使用されており、非常に燃えやすく危険です。

内容物が少なくなって噴射されなくなっても可燃ガスが残っている場合があり、その状態で缶に穴を開けると周囲の火気により火災や爆発の恐れがあります。

スプレー缶を廃棄する際は、穴を開けないこと、やむを得ず開ける場合は周囲に注意することが重要です。

避けるべきことは？

廃棄の際に注意すべき点は、まずは中身を全て空にすること。

その際は、火気のない場所で行います。

また、スプレー缶に含まれるガスは空気よりも比重が重く、室内では床にガスが溜まる可能性があるため屋外で行うこと。

静電気が発生しやすい場所や服装は避けること。

人体に有害な成分を含んでいる可能性があるので、作業の際に吸い込んだり皮膚に触れたりしないよう、マスクや手袋の着用をすることなどが挙げられます。

また、古くなったスプレー缶は噴射口が詰まって中身が出ないことがありますので、その際は無理をして穴を開けたりせず、自治体や製造元に問い合わせてください。

廃棄処理方法

事業所から排出されるスプレー缶は産業廃棄物として処理業者に処分を依頼しますが、その際は、スプレー缶の回収対応可能な業者に依頼をします。

自治体によって、廃棄物の分類や処分方法が異なるため、確認が必要です。

また、1980年代に製造されたものにはフロンガスが含まれている可能性があります。

フロンガスの扱いには資格が必要ですので、収集運搬・処分できる業者が限られます。

製造された年代によっては、現在使用されていない成分が含まれている場合があり、特殊な処理が必要なケースもあります。

古いスプレー缶を廃棄する際は、内容物を確認して製造元や業者に問い合わせてください。

スプレー缶は、引火や爆発のリスクがあるため、処理が難しい廃棄物です。

廃棄の方法も年々変化しており、各自治体によっても異なります。

穴を開けずに安全な状態で回収、処理できる方法もご提案しますので、ぜひご相談ください。