事業活動に伴い排出される廃棄物のうち、廃棄物処理法で定義された20種類の廃棄物が、産業廃棄物です。
廃棄物の種類によって処理方法は異なりますが、リサイクルが難しい産業廃棄物とはどんなものがあるのでしょうか?
こちらのコラムでは、リサイクルが難しい産業廃棄物について解説いたします。
目次
産業廃棄物が処理されるまで
事業活動に伴い排出された廃棄物には、一般廃棄物と産業廃棄物があります。
いずれも、収集運搬・処理業者に委託して処理を行います。
産業廃棄物は、業者が回収して処理施設に送られます。
中間処理場で品目ごとに分別され、リサイクルできるものとできないものに分けられます。
リサイクルできないものは、焼却処分や埋め立て処分をします。
埋め立て処分の場合は、廃棄物の種類や有害性によって、安定型と管理型の処分場に分けられます。
リサイクルが難しい産業廃棄物
産業廃棄物はリサイクルをすることが望ましいですが、リサイクルに向かない、リサイクルが難しいものもあります。
2002年から施行された「建設リサイクル法」という法律があります。
建設工事で発生する廃棄物の削減と資源の有効活用を促進することを目的とした法律ですが、その中でもリサイクルが難しい廃棄物があります。
有害で危険なものであり原材料として再利用が不可能なもの、特定管理産業廃棄物に分類されるものがそれにあたります。
建設リサイクル法では、再資源化が義務付けられ、違反すると罰則が課せられる可能性がありますので、法律と照らし合わせて確認する必要があります。
廃プラスチック問題
リサイクルが難しいと言われる廃棄物に、廃プラスチックがあります。
分別ができていなかったり、異物や他の素材が多く付着しているものは特に難しくなります。
海洋プラスチック問題などから、近年では世界的に脱プラスチックの流れが強まり、日本でも2022年に施行された「プラスチック資源循環促進法」によって、分別やリサイクルが促進されています。
また廃棄物の輸出規制もあり、国内でリサイクルする動きが高まっています。
リサイクルの方法は、廃プラスチックを原料に新たなプラスチック製品を作るマテリアルリサイクル。
廃プラスチックを化学処理して原料に戻すケミカルリサイクル。
廃プラスチックを焼却処理する際の熱エネルギーを回収するサーマルリサイクルがあります。
現在、日本ではサーマルリサイクルが約6割を占めていますが、今後は環境負荷低減のために、マテリアルリサイクルを促進していく必要があります。
日本のリサイクル率は上昇してはいますが、先進国の中ではまだ低い水準にあります。
地球環境を守るためにも排出事業者、処理業者ともにリサイクル促進の活動が必要です。
廃棄物量自体の低減からリサイクル方法までトータルでご提案いたしますので、ぜひご相談ください。