産業廃棄物の中で、塗くずや塗膜汚泥と呼ばれる廃棄物があります。
これは廃棄物の品目ではなく、廃棄物の名称です。
日常的にはあまり聞かないかもしれませんが、具体的にはどのような廃棄物なのでしょうか。
今回は塗膜くず・塗膜汚泥について解説していきます。
目次
塗膜くず・塗膜汚泥とは?
例えば、橋梁や鉄塔、水門などの建設・補修工事で塗布されている塗料を剥離した際に発生する塗膜片などが該当します。
法分類的には、性状によって汚泥や廃プラスチック類、鉱さいなどに該当します。
詳細については、処分を行う管轄の自治体へ確認することがより確実になります。
廃棄する注意点は?
特に古い塗膜に使用された塗料には、有害物質が含まれている可能性があります。
例えば、防錆剤や可塑剤として鉛やクロム、PCBなどが挙げられます。
鉛やクロムは、1960年頃から2008年頃まで防錆剤として使用されていました。
PCBは、1967年~1971年頃まで塩化ゴム系塗料の可塑剤にて使用されていたことが確認できます。
これらの有害物質は人体にも有害があり危険性が高く安易に廃棄することができません。
含まれている物質量の分析を行い、含まれる含有値によって適切に処理を行う必要があります。
処理方法はどのようにすればよいのか?
上の項目で取り上げたように、有害物質が含まれている場合はその含有値で処理が変わってきます。
中でも特別管理産業廃棄物は、通常の産業廃棄物より危険性が高いです。
よって、廃棄物の性状についてしっかりと確認しておかなければなりません。
例えば、鉛や六価クロムなどの基準値を超えている場合、遮断型最終処分場にて処分を行います。
基準値を超えていない場合が管理型最終処分場にて処分可能です。
PCBを含んでいるものは、PCB廃棄物として処理する必要があります。
これは廃掃法の中でも特別となるPCB特措法により優先されます。
低濃度PCB廃棄物は都道府県の許可を得た処理施設で処分可能です。
高濃度PCB廃棄物はJESCOで処理するしかできません。
PCB廃棄物には処理期限があります。
詳しくは環境省のホームページをご確認ください。 http://pcb-soukishori.env.go.jp/
いずれも処理可能かどうかについては、事前に処理業者へしっかり確認しておきましょう。
まとめ
塗膜くず・塗膜汚泥とは、鉄橋などに使用された塗膜を剥離した際に発生する廃棄物です。
古いものには有害物質が使用されている可能性があります。
例えば、鉛やクロム、PCBといった有害物質が含有されている場合があります。
特にPCBには廃棄する期限が設けられており、特に注意が必要です。
これらの有害物質を環境や人体に悪影響があり、大変危険です。
不法投棄などの不適正処理は絶対に行ってはいけません。
処理を行うには、成分分析を行い、含有値において適切な処理先へ委託しましょう。
当社では、処理困難物や有害物質が含まれている廃棄にもご提案を行っております。
まずはお気軽にご相談ください。